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月読の弾丸 ページ9

『...!』
まずい。シノンがやられそうになっている。しかしこの距離では間に合わない可能性が...あれを使うしかない。
『くらえ!』
命中すると、とたんに柵が波打つ。シフトボム。起爆した範囲に柵のような直径1mm以上の繊維で構成された物体を五秒間擬似的に流体化させるグレネードだ。液体のため素早くすり抜けることが可能で、また流体化させるだけなので侵入がバレる心配もない。問題は隙間のない物体に弱いため、何発もぶつけなければならない事だ(1mm以上の穴を開ける事も必要)。
『ふん!』
気合いを入れ、柵を次々に流体化させてはすり抜ける。そしてようやくシノンの元までたどり着いた。すかさず発砲する。今回は大粒散(バックショット)弾だ。そう安々とは防げまい。
『キリト!』
「分かった!」
すかさずシノンを救出し、バギーで逃げ出した。...うまくやってくれよ。そう願いながら俺はその場を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーー
キリトside

「撃て!あの拳銃を持った相手を倒すことが、君の願いじゃなかったのか!?」
「ど、どうしてそれを...!」
俺は現在、シノンの説得に四苦八苦していた。何を言っても弱気なことばかり。仕方ないから強硬手段に出た次第である。
「撃て!俺も協力する!撃つんだ!外してもいい!撃てー!」
俺の言葉にようやく重い腰を上げたようで、銃を構えた。すかさず引き金を握った手に俺の右手を被せる。
「牽制でいい。...分かったな。」
刹那、戦場を揺るがす爆音があたりに響いた。

決戦→←番外編:紅の襲撃者



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作者名:闇月 | 作成日時:2023年11月12日 22時

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