第二回BoB ページ2
シノンside
今回のBoBは初顔揃いだ(私もだけど)。サイレンサー付きのライフルで狙い撃つステルベン、高速で敵を翻弄するベイルライダー、地形を利用して奇襲をかけるA...特に異質なのは私と同じFブロックのキリトだ。彼女は高い瞬発力と反射神経で弾を避け、または弾きながら銃で牽制して接近。敵を切断するという戦法を取る。GGOでは極めて効率の悪い白兵戦、しかもメイン武器は超至近距離でしか当たらない光剣。新顔達は得意げな顔で武器を振りかざしていたが、それは対策されてもいいという余裕の現れなのだろう。
その顔に風穴開けてやる。ーそう思っていた。しかし、彼女はまるで避ける気がないようにゆっくりと近づいてくる。その行為が、表情が私の心を激しく乱す。
「ふざけないでよ!」
そう叫んで銃を放つも、外れる。私は体を起こし、彼女の元へ駆け出した。
「なんでよ?私との勝負なんてどうでもいいっていうの!?」
その言葉に彼女はこう答える。
「私の目的はあくまで本戦に出ること。...これ以上戦う理由はありません。」
その返答は余計に私を苛立たせる。
「ならその銃で自分を撃てばいいじゃない?弾代が惜しかったの!?それとも、わざと撃たれば、私が満足するとでも思ったの!?たかがバーチャルゲームのたかがワンマッチ、あんたがそう思うのは勝手よ!?でも、その価値観に私まで巻き込まないでよ!」
その言葉に、彼女はハッとしたような表情を見せる。
「ごめん、私...いや俺が間違っていた。たかが仮想空間のたかが一勝負、でもそれに全力を掛けるんだ。...俺に償うチャンスをくれないか?」
そう言うと彼女...彼は、弾丸を取り出した。
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作者名:闇月 | 作成日時:2023年11月12日 22時