巡る命の輪 ページ35
突撃しながら「万物創造」で闇のオーラを生み出し、手にした夜空の剣に流し込む。直後に力が溢れ出し、全身を覆う。
「星命神コスモ...それが俺の真の姿だ」
そう、俺はいつも君の隣にいた。それがUWでこのアカウントを選んだ理由の一つかもしれない。今、その力は目の前で暴れ狂う怪物とそれに挑む地神へ向かう。
「世界破壊!」
そう叫んで手にした剣を振りかざす。瞬く間に世界樹が崩壊していく。俺は常に英雄で有り続ける。これまでも、これからも。
「それで、いつまで寝たフリをしてるつもりだ?」
「やれやれ...やっぱりキリトにゃ敵わんなぁ...」
やや呆れた目で俺のアバターの中に封印されていたシルフの少年を見つめる。
「...やるぞ」
「ああ」
「キリト...コロス...」
「そこまで落ちぶれたか須郷。お前の敗因はただ一つ。自分の欲望に支配されたことだ!」
剣を構え、叫ぶ。
「消えろ!その野望と共に!」
「ギャァァァァァァァァ!」
断末魔と共に欲望に支配された秀才はこの世から消えた。同時に俺の体も透け始める。
「やれやれ...ここまでか...」
俺の意識はそこで途絶えた。
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「それで、あの後どうなったんだ?」
『それがよぉ...』
ここはGGO首都のとある酒場。Aと俺はそこであの事件を語り合っていた。
『電磁パルスで阻害された記憶を取り戻すにはまだ時間がかかるみたいだぜ?』
ALO出身のプレイヤーが記憶を失ったのはアミュスフィアの電磁パルスによるものだった。
ナーブギアより出力は抑えられているとはいえ、記憶を阻害し、ログアウト不能にするのは簡単だったらしい。事件の首謀者たる須郷は自札し、事件は終焉を迎えた。
「まあいいだろう。それに...まだ解決しなければならないことがある。」
『あぁ...あれか。』
そう、とある教授が起こしたARMMO事件。それを潰さなければならない。
『「OSを止める!」』
俺達の戦いは始まったばかりだ。
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作者名:闇月 | 作成日時:2023年10月6日 22時