ソードアートオンライン〜剣士と妖精と〜 (ページ29)

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剣の世界、銃の世界、妖精の国ページ29

闇を纏った刃がかつて妹だった...いや、今も妹であるその妖精に容赦ない一撃を叩き込んだ。...はずだった。しかし、俺の剣は寸止めされている。
「ークソ。」
声が漏れる。記憶がないはずなのに。俺に刃を向けたのに。それなのに、どうしても彼女を手に掛けることができない。俺の中にあり、そして蒼いヘルメットや２つ重ねたリングの外側にいる桐ヶ谷和人と言う少年が俺の刃を止めている。俺は足元に落ちていた青薔薇の剣を拾い上げた。
「エンハンス・アーマネント！」
そう叫び、剣を地面に突き立てる。いまやその姿さえも思い出せない程劣化した思い出の中で、親友が苦し紛れに俺を凍結させた時の顔。あの時のことが鮮明に蘇る。
「ーよく戦った。あとは俺に任せて、ゆっくり眠れ。」
俺はくるりと背を向け、その場を去ろうとした。しかし、俺の手を掴むものがいた。
「待ってよ。また一人で抱え込もうとしてるの？」
バカな。リーファは青薔薇の剣の力で凍結しているはずなのに。
「全属性に対して耐性をもつ魔法を掛けたからーもうその手は効かないよ。」
あぁ...そうか。破壊属性はいわば腐食属性同様、闇属性に含まれる。つまり火水土風光闇に耐性を持っていれば簡単に対策できてしまう。魔法破壊はあくまで攻撃魔法や単純な防御魔法を壊すためのもの。状態異常系の魔法までは壊せない。
「ー世界樹。」
「え？」
「純妖精達に伝えろ。世界樹の頂上までついてこい。そこに真実がある。」
そう言うと俺は羽を広げ、世界樹入り口のドームめがけて飛び立った。

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