蒼穹の混妖精 ページ27
「待て！」
「話し合おう！」
そんな声を無視し、ひたすらに麻痺させていく。話し合う？バカを言うな。罠に決まっている。それに決めたのだ。彼らとの協力は絶対にしないと。そんな安っぽい罠や言葉では俺らの決意は揺らがない。俺達混妖精はそのほとんどが固定されたパーティを組まない者たちで構成されている。俺だってそうだ。
「待ちなさい！」
また声が聞こえた。リーファが剣を構えている。俺と勝負する気なのだろうか。無駄だ。この世界において、俺を打ち負かせる剣士はただ一人。それ以外は全員打ち負かした。親友にして弟子だった少年も、尊敬すべき先輩も、可愛い後輩も、大事な仲間も。
「俺と戦う気か？...いいだろう。アインクラッド流極意その八。戦士は己の武器で己を語れ。それほどの決意があるなら...俺と夜空の剣(シャドウブレイダー)を超えてみせろっ！」
そう叫び、腰の後方に挿していた剣を抜く。
「元南セントリア統括、整合騎士序列第八位！キリト・シンセシス・サーティスリー(彼がこう叫んでいるのは人生一周目でユージオではなく自分が整合騎士にされていたから)！参る！」
名乗りを上げてウォーバルストライクで突進する。またも剣を構えて防ごうと試みている。やはり単純だ。我が妹だけはある。たとえ記憶を失おうとも、その剣技は健在だ。即座に飛び退き、ファントム・ストライクを放つ。その殺意を込めた視線で硬直した体に全身全霊の一撃を叩き込んだ。ーはずだった。
「それが本気？」
気がつくと背後を取られていた。しかしこれも想定内。元々体が小さい彼女はひたすら接近して連撃を叩き込もうとする悪い癖がある。その際にこれを使えばー
「フェアリィ・ダンスッ！」
五連撃突進技。その剣閃は星を描き、対象を切り刻む。何度避けても無駄だ。
「来い！青薔薇っ！」
俺の左手に水晶のような見た目のきれいな剣が出現した。
「半年ぶりだ。ー俺に本気を出させたやつは。」
悪役さながらのセリフを吐き、俺はスターバーストストリームの体勢に入った。
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作者名：闇月 | 作成日時：2023年10月6日 22時
