凶星の剣士達 ページ26
右手に握ったブラックプレートを振り回し、次元の壁を突き破る。何体もの巨大な敵が出てきたが、エクスプロード・ブレイカーを放って次々に沈めていく。遅い来る純妖精は雷属性ソードスキルやスタンバレット、スパーキーボルトで麻痺させる。刹那、巨大な手が襲ってきた。
「シャドウブースト！」
即座に影魔法を放ち、後方に退避し、ウォーバルストライクを放つ。
「フレイム・バースト！」
止めに闇属性魔法を的と化した敵に叩き込んだ。地響きを立てて敵が倒れる。気がつけば、空にそびえる大樹が目と鼻の先にあった。
「ーよし！」
俺は気合を入れると、ダークヘイムにそびえる世界樹に向けて走り出した。
ーーーーーーーーーーー
混妖精達が逃げ出した。誰ひとり止めることができなかった。そこをどけと叫んだ彼らの必死の表情、あれを忘れることができないだろう。生まれたときから修羅の道を歩くことを定め付けられた人の魂が死した妖精や噂や伝承にやどり、生まれた存在。呪われた存在と蔑まれ、その者たちへの復讐のみが彼らの原動力だと教えられて生きてきた。しかしそんな彼らが時折見せた弾けるような笑顔、そして情に厚い一面。それは殺された仲間に向けたものだったか、わたしたちに向けたものだったかはわからない。しかし、再び彼らが私達の説得に応じることはなかった。殺すことはない。傷つけることもない。ただ寂しげな、それでいてどことなく哀れんだような表情を浮かべ、問答無用で麻痺攻撃を放ち、ダークヘイムから追い出す。それだけだ。
「やっぱり話し合わないと...！」
決意を固め、立ち上がったその時。
「よく言った！」
声が聞こえた。この世界に集う全ての純妖精達だ。彼らも彼らなりに疑問があったのだろう。
「行こう！」
私達はそう叫び、ダークヘイムへと突入した。
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作者名：闇月 | 作成日時：2023年10月6日 22時
