闇に沈む思い ページ23
閉じ込められてしまった。理由はわからないが検討はだいたい付いている。おそらく、ダークヘイムの魔物に載せられたのだろう。あそこの魔物は狡猾だ。侵入者を排除するためならどんな手も使ってくる。しかしそんな事は問題じゃない。問題は純妖精達に拒絶されてしまったことだ。俺は悔しかった。今まで彼らを助けるために己が傷つくこともいとわずに戦ってきたのだ。それなのにー
(諦めるのか?かつてお前が助けたあの妖精のように)
声が聞こえる。俺によく似た声だ。仕方がないだろう。助けようとした対象に拒絶されたのだから。
(そんな事で君は折れるほど弱いんですか?)
別の声が聞こえる。そこにどことない懐かしさを感じる。
(仲間に拒絶された?そんなの関係あるか!)
また別の声が聞こえた。ああ、そうか。この声たちはー
(立て!俺の知るお前はそんなことで折れる男じゃない!)
再度別の声が聞こえた。
「そうかーそうだよな。」
そう。今まで聞こえていたのは俺の分身の声。SAOALOGGOUW。彼らは次元をこじ開けてまで俺を励ましに来てくれたのだ。その身が消えてしまう覚悟を持って(そういえばアスナと初めてオフしたときにSAOの俺が見えた気がしたがまさか...)。
(ようやく立ったか。)
ロングコートの剣士が言う。
(遅いんですよ。)
光剣使いも思いの丈をさらけ出す。
(俺の体を変なふうにした事、後で後悔させてやるからな。)
旧ALOと新生ALO。2つの姿が重なった影妖精が俺を励ます。
(今こそ出すんだ。己の強い心意を。)
後に星王となった剣士も激励する。
「やってやるさ。ーディバイネーション!」
左手を掲げ、かつて俺の左手を担っていた剣を実体化させる。それを全力で振り、牢の壁を突き破った。
「待っていろ。必ず助け出してやる。」
そう呟くと、武器庫に向けて走り出した。
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作者名:闇月 | 作成日時:2023年10月6日 22時