ソードアートオンライン〜剣士と妖精と〜 (ページ22)

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修羅を歩みし者達ページ22

「そんなことってあるか！」
そう叫び、壁を殴る。
『ま、まあ落ち着けよ。まだ確証はない。』
「糞っ、まさか...純妖精は人間関係に関する記憶を３日しか保てないなんて...！」
思い当たる節はあった。領主の護衛から一週間。再びリーファに出会ったときには、俺のことを一切覚えていなかった。俺がカズのことを知ったのは、あの日リーファがパーティメンバーのことを話してくれたからだ。だが、正確には三日以上その人物に出会わなければ、その人物に関する記憶が無くなると言う。
「A、一刻も早くダークヘイムを踏破するぞ！」
『お、おう！』
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リーファside

キリト君達が最近おかしい。というか、[修羅を歩みし者]混妖精全体がだ。夜な夜な外に出ては、ボロボロになって帰ってくる。話せと迫っても言葉を濁すだけで何も言わない。隠密を得意とする妖精達によれば、ダークヘイムに出向いているという。その世界に通じる扉は何故か今の私達には入ることができなかった。技術者達が粋を集めて作ったマントを装備し、異界へ向かう。そこには、暗黒の世界が広がっていた。これまではなかった闇の瘴気が体を蝕む。そんな中で私達が見たのは、殺戮と略奪を行う混妖精達の姿だった。闇の国ダークヘイムはその全てが恐ろしいが友好的な魔物で構成された世界だ。そんな友好的な彼等に、混妖精達は怒りの目を向けて斬りかかる。
「邪魔をするな！」
「俺たちにはこの世界に住む者たちを救う義務がある！」
混妖精達はそう叫び、魔物を狩り尽くしていた。彼らの目は全て怒りと悲しみに支配されている。
地響きを立てて何かが倒れた。巨大な骨の魔物だ。あの魔物はダークヘイムの中でも特に友好的な存在だ。それを倒すとはいよいよ怪しくなってくる。
「消えろ。」
上で声がした。そこには、影で左半身を侵食されたキリト君がいる。彼は剣を振り上げると、その魔物にとどめを刺した。断末魔の叫びと共に魔物が消滅する。
「助けるんだ...純妖精を...！」
彼はうわ言のように呟くと、羽を広げて飛び立った。私は信じられなかった。唯一魔物が友好的なダークヘイムにおいて、彼らは怒りの目を向けて攻撃したのだ。理由はわからないが、彼らはなにか大きな目的を達せようとしている。そのためにダークヘイムの支配をする気だろう。たとえ目的が何であれ、この世の平和を乱す輩は許せない。私達は、泣く泣く混妖精を捕まえることに決めた。