◆29話 ページ35
土曜日の、ある朝の事だった。
『ねぇおばあちゃん、もう1回言ってくれる？』
「また？何回も言わせないでちょうだい。
貴方に、お見合いの話が来てるの。」
お見合い……。何度聞いても、そう聞こえる。
『何でお見合いの話なんか来てるの？
てか、そもそも高校生のうちには無理でしょ。
そのお相手さんのこと、今は好きになれないんだし。』
私がそう言うと、おばあちゃんは呆れた顔で言った。
「だから、よ。
正直に言わせてもらうと、貴方が会社を継ぐとなれば、いずれ跡取りが必要になるの。
今は好きになれなくても、いずれのことを考えて、今のうちから相手の候補を見つけていった方が良いと思ってね。
A、とりあえず行くだけ行ってきなさい。」
そう真剣な顔で言われ、私も行きたくないから行かない、で済まされることでは無いんだ、と実感し、お見合いに行くことを了承した。
すると、お母さんが部屋に入ってきて言った。
「あら、お見合い行ってくれるのね。
と言っても、もう決定事項だし行かないなんて選択肢無かったんだけどね〜。」
決定事項って言ったかこの人。
『え、いや、は？おばあちゃん？どゆこと？』
「もう、Aには黙っておこうと思ったのに。
ま、つまりは貴方が“行かない”って言っても連れていくつもりだったってこと。」
『いやいや、さっきまでの私の決意的なアレはなんだったの？あのおばあちゃんのちょっと真面目な感動する話的なアレはなんだったの!?』
大声でそう叫ぶと、おばあちゃんは「はいはい、そうね。」と何も聞いていなさそうな相槌をうち、その後何かを思い出したように話し出した。
「あらやだ、もうこんな時間じゃないの。
ほらA、早く準備しないと今日のお見合いに遅れちゃうわよ？」
そう言いながらおばあちゃんは私の部屋へと私を連れて行き、私のクローゼットを漁り始めた。
正直、『お見合いって今日のことなの!?伝えんの遅すぎでしょ!!』と叫びたかったが、あっという間におばあちゃんに綺麗なワンピースを着せられ、髪も整えられたため、そんな気力もすぐに失せてしまった。
暇すぎておばあちゃんの顔を眺めていると、おばあちゃんが私の方を向いて言った。
「そういえば、今日のお見合い相手、ブルーロック学園の生徒らしいわよ？
ええと、確かサッカー部、って言ってたかしら？」
サッカー部…？
『それを最初に言ってよおばあちゃん!?』
負けヒロインの婚約者が攻略対象なのはテンプレです!!
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号哭。 - れーとさん» りなちゃんについてコメントしていただけて嬉しいです!!ありがとうございます！ (1月17日 21時) (
レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - あさん» コメントありがとうございます！頑張ります!! (1月17日 21時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
れーと - りなちゃんしか勝たん (12月28日 20時) (レス) @page43 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - ファイトです🔥 (11月15日 14時) (レス) @page41 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 号哭。さん» いいですよ！ありがとうございます✨ (9月8日 8時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：号哭。 | 作成日時：2023年2月1日 2時
