◆25話 ページ31
「「この間はごめん!!」」
ちょっと、いやだいぶ吃驚した。
正直、陽キャって特に周りの事考えていないものなのかと……。
「りなの話聞いて、何も考えずに勢いで教室行っちまって…。」
「普通に迷惑だったよな。本当にごめん。」
良い人!!ごめんなさい偏見の塊でした!
私が黙っていると、2人は不安そうな顔をした。
この長身何でこんなに可愛いんだ。
可愛い長身たちの不安を取り除くため、私は話し出した。
『……吃驚しましたけど、先輩たちに悪気は無かったみたいなので。
それに、りなの事を考えた結果の行動ですよね。
私はりなの事を誑かしてなんかいませんけど、もし本当にどこの馬の骨かも分からない人に誑かされたりしたら、私だってその人に何するか分かりませんしね。』
私がそう言うと、2人はすぐに安心した様子で微笑んだ。
『ていうか、結局名前聞いてないんですけど、教えてもらっていいですか?』
「あぁ、俺は國神錬介で、」
「俺は千切豹馬。よろしくな!」
國神先輩と千切先輩に対して返事を返そうとしたが、それは叶わなかった。
「A?どういうこと?僕、何も聞いてへんけど。」
そう、羊くんに、いつもより少し低く、静かな声でそう言われたからである。
私は何も言わせてもらえないままに肩を捕まれ、強制的に羊くんと対面するかたちで立たされた。
『いや、あの、羊くん?ちょっと落ち着いて?
別に大したことじゃないんだよ?』
羊くんのニコニコ笑顔に奇妙なドス黒さを感じ、目を剃らしながら慌てて言い訳をする。
「そんなに慌てなくてもええんやで?別に、あったことを包み隠さず言えば良いだけなんやから。」
しかし、そんな努力も虚しく、羊くんからは黒いオーラが滲み出ている。
どうにかして助けを求めようと周りを見渡すが、皆一様に目を見開き、「こんな氷織みたことねぇ…」と呟いている。
分かった!!ここに私の見方はいない!
そう気付いた私は、諦めてあった事を全て羊くんに話した。
私が話し終わると、羊くんから滲み出ていた黒いオーラは消え、いつも通り微笑んでいた。
「へぇ、そんなことがあったんやな。
國神くんも千切くんも言ってくれはったら良かったのに。」
「いや、そもそも氷織の幼馴染みだってこと知らなかったし、言いようがねぇよ。」
「……思ったんだけどさ、氷織、だいぶ過保護だよな。」
千切先輩がそう言うと、羊くんは当たり前のように、笑顔で言った。
「まぁな。僕、Aのこと好きやし。」
275人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
号哭。 - れーとさん» りなちゃんについてコメントしていただけて嬉しいです!!ありがとうございます! (1月17日 21時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - あさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (1月17日 21時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
れーと - りなちゃんしか勝たん (12月28日 20時) (レス) @page43 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - ファイトです🔥 (11月15日 14時) (レス) @page41 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 号哭。さん» いいですよ!ありがとうございます✨ (9月8日 8時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:号哭。 | 作成日時:2023年2月1日 2時