負けヒロインの家系って何ですか!?【ブルーロック】

◇17話 ページ22

自分で散々考えた挙げ句、羊くんに相談したのだが、その羊くんでさえ頭を悩ませている。

『どういうコトなんだろうね？バグとか？』

「確かに“負けヒロイン”とか“正ヒロイン”とか役職はあるかもしれんけど、ここはゲーム内ではないんやで？」

『そうだよね〜。流石に無いか……。



ていうか、多分黒名君も攻略対象だよな…。めっちゃ言い合ってたけどそういうポジションなのか……？黒名君ルートはケンカップル的な……？』

「……A？」

『え、なに羊くん？』

「僕にもだけど、その“攻略対象”って言うんは、やめた方がええんとちゃうかな。」

なぜなのだ一体。確かにこうやってブツブツ言ってるとこはいくらAちゃんでも見苦しいかもしれんが。

「流石に可哀想なんやないかな−と思ってな。」

え、私が？こんなに可愛いのに？高校３年間彼氏ができないコト？流石にひどいよ？負けヒロインの家系っていう運命変えてくれるって言ったのどこの誰？

「うん。分かってないみたいやね。まぁ、ええか。あと、憶測で自虐するのは良くないで。」

『え、エスパー………？？』

「ふふ、ちゃうよ。何年幼馴染みやっとると思っとるん？」

『15年くらい？』

「いや、そうやけど。」


羊くんと談笑しながら帰っているうちに、いつの間にか今まで悩んでいたことは頭から抜け落ちていった。

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≫≫≫翌日≫

「A!!おはよう！今日も可愛いね♡」

『おはよ、りな。』

「びぎゃあぁぁぁぁぁぁ!?“りな。”だって!!嬉しすぎるぅぅ!!!見たか黒名め!!ざまぁ！」

この子何？テンションの温度差よ。

「む、A、俺のことも名前で読んでほしい。」

あれ、昨日は冷静に言い返してたよね？昨日までの黒名君はどこに行ったの？

「駄目か……？」

えぇ？？めっちゃあざといやん。もう、可愛いの権化やん。
呼ばざるを得ない…。

『蘭世…。』

「あぁ。蘭世だぞ!!」

わぁ……。凄く嬉しそう……。その顔が見れて嬉しいよ……。

「おい、ざけてんじゃねぇよ黒名？Aに名前で読んでもらえたくらいで……、いや、読んでいただけて、かな？」

「読んでいただけて、だろ。Aからの名前呼びにはそう言うほどの価値がある。」

この子たちなに話してんの？

まぁ可愛いからいっか。

その時、ガラガラと大きな音を立てて教室のドアが開いた。

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キリ悪いですが次いきます!!

正ヒロインちゃんがやべぇ奴になっていく……。

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