◆8話 ページ13
「なぁA、さっきの話ちゃんと聞いてはった?」
眉間に皺をよせ、頬を膨らませる羊くん。
控えめに言って天使。
その可愛い可愛いご尊顔を写真に納めたかったが、流石にこの場面でスマホを出すのはまずいだろうと思い、目に焼きつけるだけにしておいた。
そして、彼はその間ずっと唇をキュッと結び、こちらを穴が空くほど見つめていたのだが、やがて呆れたように話し出した。
「僕は、ずっと、ずーっと、Aのことが好きだったんやよ?
幸せになれない?高校生活を棒に振る?
そんなこと、どうでもいいわ。
好きやから、本当に、大好きやから、
今更、諦められるわけないやん。」
彼は、そうはっきりと言いきった。
羊くんと目があって、掌を強く握りなおす。
羊くんの瞳は、強く煌めいていて、彼の意思の強さが現れているようだった。
『…きっと、後悔する時が来るよ。
それに、負けヒロインの家系っていう運命には、絶対に逆らえない。』
そう呟いて、細く息を吐く。
馬鹿だなぁ。本当は、凄く嬉しかったのに。
素直に、ありがとう。って、言えば良かったのに。
でも、私は自分が一番かわいいの。
怖がりで、臆病だから、傷つきたくないんだ。
ごめんね、羊くん。
『だから、もう私なんかに構わないでいいかr
「そんな、そんな運命なんて、僕が変えて見せ
る!!」ッ!!』
羊くんが私の言葉を遮る。
「僕が、誰にも負けヒロインなんて言わせん。」
『…きっと、出来ないよ。』
「これからも、ずっと、Aのこと好きでいる。目移りなんてせんから。だから、Aにも、絶対に僕のこと好きになってもらう。僕は、絶対諦めへんから。Aにも、諦めないでほしい。」
3年間だけ、3年間だけは、頑張ろうと思ってたのになぁ。
『……そんなこと言われたら、私が折れるしかないじゃんか。』
目頭が熱くなる。
『私、頑張ってみるよ。』
羊くんは、キリッとした表情になったけど、どこか嬉しそうだ。
私も自然と笑みがこぼれ、気づくと2人で笑いあっていた。
『あ、ヤバ、入学式!!』
「あかん、忘れとった。急がんと!」
──────────────────
あの、ブルーロック24巻の匂わせ表紙見ました?
あれは完全に羊くん確定ですよね。
てか、13個も話使ったのに、まだ羊くんしか出てないことが申し訳ないです。
あれですね、逆ハー詐欺ですね。
では、不定期更新ではありますが、これからも号哭。をよろしくお願いします!!
275人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
号哭。 - れーとさん» りなちゃんについてコメントしていただけて嬉しいです!!ありがとうございます! (1月17日 21時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - あさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (1月17日 21時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
れーと - りなちゃんしか勝たん (12月28日 20時) (レス) @page43 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - ファイトです🔥 (11月15日 14時) (レス) @page41 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 号哭。さん» いいですよ!ありがとうございます✨ (9月8日 8時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:号哭。 | 作成日時:2023年2月1日 2時