【銀魂】難あり波もあり

尊敬と憧れの果て ページ29

(ーー平凡な、私)



幼少時から、ごくごく普通だった私は、
5段階評価3を連発、体力テストでは、女子平均の
ピタリ賞。趣味は読書だし！顔もスタイルも
何とも言えない平凡さ・・。

平均子のあだ名で呼ばれ、悔しい思いをしたのは
いつだっただろうか。






(・・そういえば、)



銀さんといる時だけは、自分の平凡さについて、
強く意識をしたことはなかった気がする。


それはきっと、彼が私の平凡さをマイナスに
受け取っていなかったからだろうし、

ーーー全部ひっくるめて、私を好きだと
本心から言ってくれていたからなのだ。







「いやはや、・・こりゃ参ったな」





兄さんは苦笑を浮かべ、頭をかいた。
この人が気圧されるところを、初めて見た気がする





「妹の恋人がどんな奴なのか見極めてやろうと
思ったが、・・どうやら俺の方が、見事に説得されてしまったようです」

「説得した覚えはねーがな。
俺ァただ、あんたの質問に答えただけだ」




銀さんって人は、基本はひねくれてねじ曲がって、
本当どうしょうもないけれど、ーー中にまっすぐ
曲げられない信念を持っている。きちんと自分を
持っているからこそ、こんなに堂々と言い切れる。

別にキュンとする場面があったわけじゃない。
・・けど、




(かっこいいなぁ、)





この人への憧れとか尊敬とか、そういうものが、
次第に恋へと変わっていったんだ。

平均といわれ、それに対して不満はありつつも、
何を変えようと努力したことのなかった私は、


ーーーきっと、坂田銀時という男に魅了されたんだ





「では、納得という言葉に訂正します。
妹の全てを見ようとし、受け入れてくれるあなたに
俺は尊敬を示す。Aのことは、大切にしてやって
ください」

「あんたも、人の話はちゃんと聞けよ」

「ははは！尽力しますよ！」




兄さんが求めた握手に答えた銀さんは、
気恥ずかしそうに苦笑いした。

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