【銀魂】困惑必須の受愛物語

少女漫画思考 ページ15

保管庫に運び直された資料や書物はかなりの数で。


何をそんなに調べたのやら、とため息をつかずには
いられない。








「てか団長、手伝う気あります？」

「・・お前も阿伏兎も、よくこんなもの読むよネ。
ちっとも面白くない」


「ここにはあなたにわかるような絵本レベルの
メルヘンちっくなものは置いてないんです」

「絵本かぁ。一度地球のものを見たことがあるな」





あぁなるほど。通常運転。まるで嫌味が通じない。
ここまでくると清々しい。

手を動かすわけでもなく、床にあぐらをかき、
ただペラペラと書物をめくる団長は、むしろ逆に
散らかしているんじゃないだろうか。
心底やめてほしい。








「ところでA、答えは出た？」

「はい？」


「ーーー俺のこと、好きになった？」

「ッ、」





危うく、はしごから転落するところだった。
・・・このクソ兎、突然何を言い出すのやら。






「返事をするとは言ってません」

「返事が欲しいわけじゃない。お前が俺を好きに
なったかどうかって話だ」


「・・相変わらずの唯我独走っぷりで」





つまり、私がこいつに惚れてしまえば満足なのだ。
ーーそして最悪なことに、少しずつとはいえ、私は
ほだされかけている。


あり得ないあり得ないと否定しながらも、
私は未だ、確定的なものを得られないでいる。








「ーーーねぇ、どーなの？」




まあ、そんな迷いなど見抜いて、
行く手を阻んでしまうのが、この男なのだけど。



はしごから降りた私を、本棚と腕の間に閉じ込めた
彼は、にんまりと目を細めた。

鼻の先が触れ合うかと思われる距離で、
私はきゅっと口を結ぶ。






「・・あなたに惚れるほど、落ちぶれてはいません
ーーけど、以前ほど嫌いではありません」

「え、スキ？」
「聞いてました？」



断じて好きとは言ってない。主張する私に、
彼は納得する様子はなく、「でも」と。





「嫌いじゃない、ってのは、ツンデレ女子の常套句だろ？Aにもその傾向があると俺は思う」

「どこで取り入れたんですかその少女漫画思考」





なんだか、似合わないことをいうな、今日は。
こんな無邪気な笑顔なのに、ーー時折見せる大人びた表情は何なんだろう。






「よかったよ。ーー俺を見てそんな顔してくれる
ようになって」


「ッ、え？それ＿＿＿、」





"どんな顔？"

そう聞こうと開いた私の唇は、一瞬で飲み込まれた

嫌じゃ_____、→←犯人は

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