【銀魂】願い続けて

☆ ページ40

万事屋を訪れて少し。銀さんから渡ってきた連絡先は、どうやらどこかの旅館のもののようだ



「あ、もしも・・」
『ーーーA・・！お前、裸の男に毎晩リンボーダンスを見せられているとは本当か！？』

「それは、嘘だね」



久々の電話だというのに、出落ちとはどういう
わけだろうか。初手からボケをかましてくる
あたり、相変わらず元気そうだ。





『・・銀時の奴、嘘をついたのか』

「そんな嘘つく大人いるの？あとそれを
信じる大人」

『大丈夫か！？』

「いや・・まあうん。今のところは」



久々にこのパワフルさを食らうのは
なかなか強烈だ、と苦笑を漏らしつつ、
現在の状況を説明した。

手紙が送りつけられること。そしてその中身に
ついて。事細かに説明を終えると、小太郎は
電話口でうーむ、と唸る。



「ちょっと怖いでしょう？今日だって____ 」




ーーー

福㑨A様

あなたにこうしてお手紙差し上げるのは、いたずらではありません。僕の気持ちを知っていただきたいからなのです。愛していると。
そうして、いつか僕の準備が整ったら、
ちゃんとお迎えにあがりますから

ーーー





「一応、戸締りの確認は念入りにしてるんだけど・・少し不安で」


『迎えに行く、か。・・・とにかく、知らない人についていってはならんぞ。お母さんにも
そう習っただろ』

「あのねぇ、そういうレベルの問題じゃなさそうだから、こうやって危険をおかしてあんたに
電話してるのよ？」



このロン毛が楽観的なのは、既知の事実だが
それにしても、自分の恋人が怖い思いをしているというのに、これは少し楽観的の度が過ぎているというか何というか。




『すぐ駆けつけてやりたいところなのだが、
俺も今手が放せんのだ』

「・・また危険なことしようとしてる？」

『いや、ーーー今、UNOがいいところでな』



「・・・・・うの？」




今潜伏している旅館の親父と夕食のメニューを
賭けて勝負をしてるんだ、と半ば興奮気味に
答える小太郎。ーー危うく、もう少しで携帯を
落とすところだった。





『俺が勝てば、尾頭付きの鯛。負ければスーパーで買ったたい焼きだ。・・どうだ！一世一代の大勝負！これは勝たねばなるまいだろう』

「・・・」




楽観的、のんき。・・この人のそれは今に
始まったことじゃない。ずっと昔から。

ーーーけど、






「・・・・嫌い」

『そうか。Aは鯛が嫌いだっ・・___ 』




今回ばかりは、電話を切らずにいられなかった

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