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虚しくこだました ページ21

漂う煙の中から抜け出したのは、小太郎がスイッチを押して数分後だった。

路地裏に逃げ込んだ私たちは、ひとまず息を
整える。






「おまっ、あれ煙幕弾かよ!」

「ふっ、俺に抜かりはない」

「抜かりまくってたろうが!!こっちには一言
伝えとけアホ」




膝をついて息切れをする私に対し、変わらず
元気な二人には呆れてしまう。音だけは派手だったそれには、本当にびっくりしたのだから。





「・・・素人には刺激が強い」


「もう大丈夫だA。うまく巻けた」

「そ、そうね」





そうだ。捜索班をまくことはできたのだから
万々歳である。まさか爆弾に見せかけて
煙幕をはるなんて。さすがこれまで警察から
逃げ延びてきただけのことはある。





「・・迂闊に散歩もできないなんて」

「今回で、お前がこの街にいると峯田に
割れてしまったわけだ。これからはさらなる
注意が必要だな」

「あの腐れポリ公ども、何チンタラやってやがるんだか」



そういえば、なぜ小太郎はここにいたのだろう
なんて当たり前の疑問が今になって湧いてきた

同じ疑問を抱いたのか、銀さんが口を開く





「ーーーお前まさか、Aチャンのこと
ストーカーしてたんじゃねェだろうな。
ドンピシャなタイミングで出てきやがって」


「そんな下卑た真似をするはずがなかろう。
俺が尾けていたのは捜索隊の方だ」

「そっち!?」




まあとにもかくにも、結果よければすべてよし
というやつだ。改めて、安堵の息をつく。




「何はともあれ、助けてくれてありがとう」

「いや、・・無事でよかった」



こんな状況だというのに、
優しげに微笑む小太郎に胸が跳ねる。

ここ最近心底思う。ーー不謹慎だ、私は。



















「ーーーあれ、もしかして俺邪魔?」



ぽつりと取り残された銀さんの声が
虚しくこだました。

動き出す→←スイッチ騒動



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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月11日 0時

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