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惚れるということ ページ35

「・・今更そんなことに気づくなんて、」




一生の不覚である。
これまでの、ーーそしてこれからの数少ない非番を、私は有意義に過ごさねばならなかったというのに。






「だから言ったろ。今日は色々教えてやるってねィ。俺のおかげだぜ。感謝しろ」

「・・・それは何かむかつく」




もちろん、広く見たら、こいつのおかげという
ことになるのかもしれないけれど。

それに素直に礼を述べるなんてなんだかとてつもなく腹立たしい。






(ーーでもまあ、)




こいつと知り合ってからは、ある意味いつも
新鮮で、予想外の展開ばかりな気がする。
自由奔放で、私と正反対。ーーそんな奴と
こうして休日を共に過ごすまでになるなんて
予想できるはずがない。





「・・・おい」

「んー?」


「喉渇かねーかィ」




突然何を言い出すのかと思っていれば、
そいつの目線は、向こうにある自販機に向けられていた。





「そうだね。ちょっとしゃべりすぎたかも」




気づけば、もう何時間経ったのか。
腕を見やったが、いつもあるはずの時計は、
そういえば悪魔のポケットに入った
まんまだったんだ。・・あぁ、そうか。




(ーーーったく、)




本当に時間、忘れてしまっていた。


・・・いや、よく考えてみれば、
今に始まったことじゃないか。
毎度こいつには予定を狂わされていたし。

話していると、言い合っていると、・・顔を
見ていると、不思議と腕時計から意識が遠のいてしまう。



ーーあぁ、これが惚れるということか。
何とも恐ろしいものである。一つ苦笑を漏らしたところで、・・総悟はのそりと立ち上がり、







「ーーーんじゃ、・・今日だけ特別に俺が
買ってきてやらァ」

「は?」
「勝手にどっかいくんじゃねーぞ雌豚」

「えっ、ちょ!?」




迷言を残し、自販機へと向かっていった。






(・・・待って。気持ち悪い)




とてつもなく。
・・だってこいつが自ら他人のために
働くなんて。怖い。確実に何か裏がある。


毒物なんて紛れ込まされちゃいないか。
あとで倍の額を要求されるんじゃないか。

もしくは、なんだろう・・。
とにもかくにも、嫌な予感しか浮かばない

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!最後までおつきあいくださって本当にありがとうございました!新作の方も盛り上げてまいります! (2017年1月30日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっぱり夢主ちゃんは夢主ちゃんですね!私もこんな人が周りに居てくれれば…。新作、頑張って下さい!では今から新作の方に行ってきます! (2017年1月27日 22時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» ありがとうございます!嬉しいです!新作の方も盛り上げていきますので、とうぞお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年1月27日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
手刀(プロフ) - 完結おめでとうございます。この作品にはとても楽しませてもらいました。新作の方も応援させていただきます。 (2017年1月27日 18時) (レス) id: ed7689e827 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!直しておきます! (2017年1月22日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月12日 1時

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