【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

毒モヤ ページ11

突如、核心を突かれた私は、狼狽える以外にどうすることもできず。完全なる不意打ちに
目が泳ぐ。




えっと、あっと、なんて意味のない言葉を
数個紡いだ後、・・とにかく、落ち着こう。





「・・・ひっひっふー」

「妊娠？」




あぁ、ちょっと間違えた。何ということだ。
この聡明な私にあるまじき失態。
それだけ動揺しまくってるということか。

いやまあ、とにもかくにも整理しようと
頭をフル回転させる。今そいつから出た質問は
私が総悟に惚れてるかどうか、だ。


てかね、まずどうしてそういう流れになった？









(ーーー・・あれ？ちょっと待ってよ)






10分程前にさかのぼってみよう。





総悟は、私がいないと物足りないといった。
私も、こいつがいないと寂しいといった。









『俺が物足りねーと思ってんのに、テメェの方は何とも思ってねーなんざ、むかつくことこの上ねーだろィ』


『ーーじゃあ、その原理でいくと、・・総悟は
私に惚れてるってことにしていい？』




この二つのセリフを抜き出してみよう。
ちなみに上は総悟、下は私である。ーーん？









(・・・・・・・あれれれ？)








よく考えたら、ーーー最初に告白まがいのこと
したの私じゃんんんんんん！？


いや、直接伝えたわけではないけども、
でもつまりそういうことでしょ！？




"私が総悟の事が好きなら、総悟も私のことが
好きじゃないと腹がたつ"ってことだよね？

・・・え、何それ。ナニソレ！？







「うおおおおお！！これはまずい展開だ！」

「おい、病院行くかィ」
「行かない！」





私は勢いで何てことを言ってしまったのだ恥ずかしい！何このクサイ台詞は！？私が言ったの？本当に私？嘘だと言ってェェエエ！！









「総悟、・・・私今日早退するわ」

「まだテメェの予定してた時間じゃねーぜ」

「いい。明日調整する」




ふらりふらりと歩を刻む。
ぼんやりと視界にかかったモヤはきっと、
恥ずかしさと情けなさと後悔だ。
つまりマイナス要素しかない。毒モヤだ。

探るように町を進みだした私は、再びすぐに
立ち止まる。








「ーーー・・待ちやがれ」

「ッ、」




右手首に感じる暖かさが、そいつのものだと
気づいた途端、・・体に広がるのは、熱。

時間稼ぎ→←厄介だ

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