【銀魂】オトコ×オンナ

ジーザス ページ43

ピンポン、と音を鳴らしたのは、
私の家の来客を告げるチャイムである。

滅多に使われることもなく、埃をかぶっていた
それが久々に奏でられ、私は慌ててドライヤーを止めた





「はいはーい！どちら様です、・・か」

「ーーよお、元気か？定時退勤公務員」




定時退勤公務員が元々正しいんだからね！！と
つっこむことも忘れ、唖然としつつ見上げた先

心なしか少しずつ扉を閉めようとしていた
私に気づいたのか、・・足をねじ込ませてくる
そいつ、ーー沖田総悟。








「な、何！？突然レディの部屋訪ねてくるとか
どういう神経してんの！？破廉恥な！」

「お前がどういう神経してんでィ、中学生か」

「誰の胸が中学生だ！」
「胸の話なんかしてねーよ」




どうやらかなり動揺しているらしい私。
もう言ってることもやってることも支離滅裂。








「・・風の噂で気になる聞いたもんでねィ。
ーーーちょいとお話しやしょうか、A」




そんな言葉とともに、清々しいほどのスマイル
を浮かべたそいつに、口元が痙攣する私。

ドクドクと音を立てるのは、そいつを家に上げることに対してか。ーーそれとも、この前見た
あの光景を思い出していて、最悪の事態を
恐れているためか。






(・・・・破局、浮気、不倫、)




浮かんだのは、よく週刊誌に取り上げられてる
そのワードたちであって。








「とりあえず入るぞ」
「ーーーえ！？ちょ、不法侵入ッ」



力強いその腕によってあっさり全開させられた
扉の間から、沖田は体を滑り込ませたのだった








ーーー
ーー




「・・・はい、コーヒー」



ーーーコトリ。軽い音を立てて、リビングの
テーブルに二人分のカップが並べられた。



もちろん私は一人暮らしであるから、
向かい合うソファや椅子など設置していない。

・・よって、一つある長ソファで隣に並ぶ
状況を作り出してしまう。


極限まで離れて座った私に、至極不機嫌そうな
声色で「おい」と。







「・・何でンな端っこに座ってんでィ。
俺に対する拒否意思の提示か」

「ッ、ち、違うよ！」




違う。嫌とかそんなんじゃない。ーーが、
私が寄り添っていいものか、と。

そんな疑問が頑なに消えない。








「・・ま、わかってらァ。原因は俺だろ」

「へ？」

「万事屋の旦那が全部ゲロッた」

「・・・はい！？」






ゲロったってまさか。・・まさか









「ーーー誰が浮気してるって？」






ジーザスゥゥウ！！！

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