【銀魂】オトコ×オンナ

不本意な言葉 ページ41

ー沖田サイドー




多分、宴会以来だろうか。
この男と顔を付き合わすのは。




「・・・で、何の用です？あんたから呼び出す
なんざ、ただ事じゃねーんでしょ」



ひと気の少ない公園のベンチ。
俺の隣に座る銀髪男の横顔を一瞥する。

やはりいつ見ても感情の読めねェツラだ、と
呆れを滲ませつつ返答を待った。






「いんや、俺にとっちゃぶっちゃどーでもいい
話なんだわ」


「はあ・・？」





呼び出してきたのは、この男の方からだ。

何かしら真選組との因縁も深く、敵対すること
の方が多かった気がするが、今回は違うようで

何やら話があるとのことだった。






「けどまあどーでもいいとは言っても
奢ってもらっちまった以上、何かしらの形で
恩返しくらいはしてやってもいいかなと
思ってるわけだ、俺としては」

「何言ってんですかィ、旦那」

「沖田くんドッグフードで生活したことある？
人間だってこと忘れそうになるよ」

「だから何の話です」



人間に戻りたいなんて相談ならば、
そこらの動物病院に行けという話である。

半ば既に帰ろうと考え始めていた俺は







「ーーまあつまり、俺この前お前ェの女に
奢ってもらったんだよな」

「・・話の繋がりが見えねーんですが」




つまり、とは接続詞であるが、
どうやらその役割を無視する方向らしい。

ーーいや待て。それよりも、だ。







「・・・何であんたとAが二人で飯食いに
いってんですか」



一つ、気になるセリフを、その男の言葉から
抜き出した。ーーAと飯？





「んな怖ェ顔すんなって。問題はそこじゃ
ねェから」

「いや十分問題でさァ。斬っていいですかィ」
「待て早まるなァァア！」



話聞けって、と。ひとまず抜きかけだった刀を
鞘に収めて旦那を睨み付ければ。







「ーーーお前、浮気とかしてる？」
「・・・はい？」




突然すぎる質問に、素っ頓狂な声を上げた。





「・・何言ってんです？仕事なさすぎて
探偵ごっこでも始めたんですかィ」

「誰がんな小学生じみたことするか！」


「ありゃ、アンタ等てっきり小学生以下かと」
「いい加減にしろよマセガキ」




まあ軽口はそこまでにして。







「ーーー・・俺が浮気？」



気になる、ーーというか、心底不本意なのは
その言葉である。

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