【銀魂】オトコ×オンナ

やばい ページ1

「はぁ、」


病室の窓から外を眺めつつ、私の口からは
ため息が止まらないのである。




(・・なんか、やばくない？私)




何がやばいかというともう気持ちの部分だ。
やばい。とにかくやばい。

ーー何かに、こう、・・流されてしまいそうな





「つまり、やばい」




入院中の退屈しのぎに買った新聞に目をやると
ーーちょうど、私の悩みの種が顔を載せていた






「・・・真選組一番隊隊長沖田、またしても
やりすぎ行為、か」





半壊したビルとともにピースサインをかます
そいつの神経というのは、相変わらず
疑いたくなるけれど、

破壊享楽者ってのは、我ながらいいネーミング
だった、うん。ーーって！









(・・・・・・これだよこれェェエエ！！)




何この穏やかな気持ちは！？
初期の煮えたぎった腸はいずこへ！？





ーーーまあつまり、・・最近の私というのは
すっかり沖田への怒りというか憤りというか
そういうものが抜け落ちてしまっている。

以前までは記事どころか、名前を聞いただけで
火山噴火しそうだった私が、だ。








(悪いとこでも打った、とか)




打ち所が悪いと、記憶喪失や性格異変を
起こしたりすると聞いたことがある。

怒りを司る脳内設備が壊れたのか私。









「よお、A」「ーーほぅわ！？」






そして、何とも測ってるとしか思えない
タイミングで現れたのは、

脳内から新聞へ、そして現実、ーー私の目の前
に悠然とした沖田である。






「何びっくりしてんでィ」

「いや、あああんたこそ何しに来た！？
暗殺ですか！？」

「何でいつも殺される気満々なんでィ」




そんなことを言ったって、お前について
考えられることがそれしかないんだよ！と
内心では激しく悪態をつくも、

ーーーーパクパクとうまく動かない口では
言葉にすることはできず。








(・・何でッ、胸が痛いッ、)





ドクドクと速い鼓動を刻む心臓。
初めての感覚。ーー少し前から、こいつに会う
たびに強くなるその感覚に、思わず、真っ白な
浴衣の胸元をつかむ。

皺が寄ったそれを、一瞬見やって








「・・・またサボりですか？ちゃんと江戸
守ってくれる？」

「んな硬ェこと言ってんな。・・ーー俺ァ今は
テメェを守ってやってんでィ」

「騙されないからね」





不覚にも跳ね上がっていた胸は無視する方向で


んなこというタマならホストの方が
向いてるよ、と。やはり悪態をついたのだった

ごく自然に→

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