感動 ページ26
「それでよかったの?」
「クソガキにゃこれで十分だろ」
銀時さんの手にある紙袋の中には
先ほどデパートで手に入れたマフラー。
綺麗に包装されたそれは、
ーーーもちろん、最安値のバーゲン品である
「神楽ちゃんは宇宙船がほしいって
いっていたけれど」
「どこのビックダディが
用意できんだよそんなもん。あいつバカなの」
寒空の下であることは間違いないが
今日は残念ながらホワイトクリスマスと
いうわけにはいかなそうだ。
「プレゼントを枕元に置く側の気持ちを味わう
ことになるなんて思ってもみなかったわ」
「確かにお前はサンタっつーかサタンだよな」
「呪ってやろうか」
銀時さんの面白くないジョークには
飽き飽きしてしまう。
笑みを貼り付けその人の足を踏めば
グキリと変な音がした。
.
「・・・ところで銀時さん」
「テメェ人の足躊躇いなく踏みつけといて
よく平然とできるな!なんだよ!?」
いつの間にか足元を抑えて小刻みに震えながら
痛みを我慢する彼を振り返る
「・・・万事屋への帰り道とは反対よ」
今の進行方向を確認して首を傾げる。
これでは万事屋からどんどん遠ざかって行く。
「いや、合ってるぜ」
「は?」
「まあついて来いって」
キョトンとする私をよそに、痛みが引いた
らしきその人は迷いなく足を進める。
まさかこの歳で放浪癖でもついてしまったのか
足を止めない銀時さんを少し心配しつつも
黙ってついて行っていれば。
.
.
「ーーーー・・ッ、え」
突然パッと開けた視線の先、・・・目の前に
広がるのは、
「これ・・、」
「昨日のニュースで特集してんの偶然見つけたんだよ」
ーーー・・光のイルミネーションが輝く広場
.
「まあなんだ、・・ーーープレゼントとして
受け取ってくれや」
そして、照れたように早口で言い切った彼に
ドクン、と大きく心臓が波打つ。
「・・・・・・らしくない」
「こういう時は素直に喜んどけ可愛げねェな」
「うるさい」
柄にもなく、光の世界に目を奪われてしまう。
ーーーー・・"感動"とはこういうことか。
いや、正確にはイルミネーションに
感動しているわけではないのかもしれない。
ふと横をみれば、光に照らされた
銀時さんの横顔が目に入って、
再び鼓動がスピードを上げる。
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シュシュ(プロフ) - にゃんこさん» コメントありがとうございます!銀さんカッコ良くかけていれば幸いです!最後まで読んでくださりありがとうございました!次回作も頑張ります! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - みーへるさん» コメントありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございました!次回作も頑張ります! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ばななんさん» コメントありがとうございます!ギャップ書くの楽しかったです…!!今年もよろしくお願いいたします! (2016年1月4日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 完結おめでとうございます!腹黒系夢主ちゃんがここまで銀さんとラブラブになるなんて…すごく面白かったです(*^▽^)/次回作もチェックさせてもらいます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 4e6217db41 (このIDを非表示/違反報告)
みーへる(プロフ) - すっごく面白かったです!強気な夢主ちゃんと万事屋メンバーの絡みが好きで毎日更新されるのが楽しみでした。次回作も楽しみに待ってます!! (2015年12月26日 23時) (レス) id: 2bfd9802d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月18日 17時