はじまりは、おせっかい … tk × in

やおとめ side ページ5

「八乙女くん、薮くんは何か聞いてない？」


岡本先生に、呼び出された放課後


話は、4ヶ月ほど学校に来ていない、いのちゃんのことだった


kt「お家に電話かけても繋がらなくてね…」


薮くんと八乙女くんも協力してくれって…


俺たちだって、心配なんだ…


冬休み前は、家族みんなで旅行に行くんだって
嬉しそうに俺らに自慢してきた、いのちゃん


それが、新年明けても連絡がなく、
冬休みが明けても学校に来なかった…


何回も電話をかけて、何回もインターフォンを押して…


それでも、出てくれなかったんだ…


「伊野尾くん、特待生としてきてるでしょ？
だから、こないままだと、学校を辞めないと…ってことになっちゃうから…」


悲しそうに、俯きながらそう呟いた岡本先生…


「薮とどうにかします！だから、それだけは待ってください」


「あいつと一緒に卒業したいんです！」


俺がそういうと、続いて薮も説得してくれた

すると、岡本先生は俯いていた顔を上げて、ニコッと笑った


「そうだよね！俺も頑張ってみるから、2人もよろしくね」





岡本先生と別れて、薮と2人で帰る


もう何ヶ月、この道を2人で帰ってるだろう…


「久しぶりにさ、伊野尾のとこ行ってみるか」


「おう」


会える可能性なんて、0に近いけど、それでもやっぱり会いたいんだ




「光、ケータイ鳴ってんぞ」


「あ、ほんとだ…………」




「どした、光、出ねぇの？」


「や…やぶ… 電話… いのちゃんから…」


「お前ふざけんじゃねぇって…えっ、あ…ガチじゃん… 早く出ろって！」


薮に急かされて、震える手で通話ボタンを押した



「…もしもし、いのちゃん？」


「ひか？！たすけて！」

「にぃにが！」


え？大ちゃんと、涼介？



「「にぃにが、たおれたの！」」

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