検索窓
今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:111,315 hit

けい side ページ19

「この中だよね…」


光からメールが来た


雄也先生は、いつも朝早くに来て、美術室の中にある美術準備室にいるよ

って…


光にも迷惑かけちゃったんだから…


ちゃんと謝んなくちゃな…


コンコンコン

「失礼します…」


おそるおそるドアを開けると、


バッチリとあった目…


やっぱり、ダメだ…

そう思って引き返そうとした弱い俺



「伊野尾くん、おはよ?」


そうだ、こいつはいつもそうだった…


俺の手首をしっかり掴んで、無理やり部屋に招き入れられた


「まぁ、座ってよ」


ソファに座らせられて、向かい合う


なかなか顔を上げられない俺…


でも言うしかない…


ポケットからクレヨンを出して、先生の前に出す


「あ、あっ、の… ごめんなさい… クレヨンのことも、怒ったことも…」


「うん、伊野尾くん 俺怒ってないから大丈夫だよ?」


顔を上げて、優しい声でそう言われて

うつむいていた顔を少しずつあげると、優しい顔をして笑っていた



なんで、こんな俺に優しくするんだろう…


「伊野尾くん、俺もね、両親いないんだ」


「えっ…?」


「俺が高校生の時にさ、両親が乗ってた車に飲酒運転の車が突っ込んで来てさ」


いきなりすぎて、びっくりしすぎで声も出ない…


「即死だった でもね、俺には姉ちゃんがいたから、養ってもらってたんだけど…
俺グレちゃってさ…」


先生は、ずっと遠くを見ながら話してたけど、急に俺と目を合わせて言ってきた


「伊野尾くんには、俺みたいになって欲しくないから、だから、おせっかいになるようなことしたんだ… ごめんね?」


信じられなかった…


今までずっと、かわいそうだからって同情されてたんだって思ってた…


「伊野尾くん、よかったらさ これもらってくれる?」


「えっ、なんで…」


「伊野尾くんとさ、弟くんが楽しそうに家に帰ってるの見てさ、俺からプレゼントしたいなって…」


迷惑ならいいんだよ?そう言いながら俺にくれた


新しいクレヨンのセット…


「ふぇっ…あれ…?なんで…なみだが…」


拭いても拭いてもこぼれ落ちる涙…


「伊野尾くんこれからは、俺が味方だからね?」


肩の荷が降りるって言うか…


なんていっていいかわかんないけど…


お父さんとお母さんを失ってから、張り詰めていたものが、すぅっと溶けていくような…


そんな感覚をおぼえた…


それと同時に、なんか胸がぎゅっとするような、変な気持ちも生まれた…

たかき side→←たかき side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (156 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
514人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- この続き気になります!掛け持ち大変だと思いますが楽しみに待ってます!面白かったです! (2019年5月5日 11時) (レス) id: 1ee02ce53e (このIDを非表示/違反報告)
希都 - この作品大好きで、続き凄く気になるんですけどもう更新はしないのですか…?していただけたら嬉しいです! (2018年12月23日 22時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
マミ〜(プロフ) - はじめまして。年の差たかいの最強ですね!!ちびっこ二人にヤキモチやくいのちゃんも可愛いです。続き楽しみに待ってます。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 0525ce8f60 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あおのまっしゅ。 | 作成日時:2017年5月15日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。