短編集『あなたとWESTの物語』 (ページ9)

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濵「ただいま」

あのメールの意味ずっと分からんくて

仕事中ずっと悩んでて

濵「Aー？」

もしかして出ていった！？

と、思ったら

寝室のベッドに寝ていて

濵「何でそんなに泣いたん？」

涙のあとが残っていた

「…ん」

濵「起きた？」

俺の顔を見て

「私のこと本当は好きじゃないんでしょ」

濵「…えっ？何で？」

「だって弁当届けに行こうと思ったら、知らない女の子と楽しく話してるし」

濵「うん…」

「あんな笑顔みたことないもん…」

もしかしてこれって

「昨日だって浮気したらとか話してきたし」

興味ないって言うてたやん

「私と一緒にいても楽しくないんでしょ、私だけが崇裕のこと…」

ずっと隠していたのかもしれない

Aはずっとヤキモチ妬いてたんだ

なのに俺はそれに気づかないで妬かせようとして

濵「気づかんくてごめんなぁ…」

何や俺、めっちゃ愛されてるやん

濵「俺はAが思ってる以上に好き。」

「本当に？好き？」

濵「ほんまに好き。」

「そ」

素っ気ない返事。それすらも可愛い。

「じゃあ、アイス買ってきて」

濵「…へ？」

「悪いと思ってるならアイス買ってきて」

濵「はい…」

Aが笑ってくれるなら…

でもその前に

「んっ！」

久しぶりにキスさせてよ

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『もし、俺が浮気してたらどうする？」

あの質問をした夜、興味ないと言ったお姫様。

寝たふりをして本当はずっと不安だったのです

茨の中で眠り続けるお姫様

嫉妬の中で眠り続けたお姫様

二人とも王子様のキスで呪いが解けたとき幸せになるでしょう。