短編集『あなたとWESTの物語』 (ページ15)

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最初に好きになったのは私のはず

でも、もう私たちも大人だからそんなこと言ってられなくて

思いを伝える前にあなたは違う人と結ばれてしまった

淳「キスして」

目の前にいるあなたが私を好きでいてくれればいいのに

お前の方が好きだったって言ってくれればいいのに

私はあなたのおもちゃじゃないって言えればいいのに

淳「A、キスは？」

いつもあなたの思い通りにされて

私の意思なんてあなたには通じない

それでも

あなたの側にいれればいいなんて思ってる私は

「好き、淳太くん…」

馬鹿なのでしょうか

淳「Aの唇真っ赤で綺麗…」

あなたはいつも私の気持ちに返事をしない

一言でいいの

『好き』だけで。

淳「A、俺だけ見てて」

その一言だけで満足だから

淳「返事は？」

「はい…」

淳太くんが私に返事を求めるなら

「淳太くん、私のこと好き？」

私もあなたに返事を求めたい

でも

淳「キスしてええ？」

「…はい」

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あのワインは彼女にとって毒りんごのようなもの

キスをしたのは王子様などではなく、毒りんごをもってきた魔女だったのです

お姫様は魔女のキスでいつ目を覚ますのでしょうか？