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向井 side
こんな事、初めてやってん。
先輩とはまるで漫画の世界の様な出会い方。お互いが角を曲がった時にぶつかってコケて、顔を見たらどタイプな女の人で一目惚れ。
初めはそれくらいやったんよ。
めめが翔太くんと仲良いらしく、俺もそれで顔見知り程度やってんけどまさか翔太くんの仲良い人にこんな可愛い人おるなんて知らんかった。
めめも数回見かけたことあるらしいけど、まあ先輩たちの教室と俺たちの教室って階も違うし仕方ないかな、なんて思ってたけど。
「 ねえ、辰哉昨日の現文のノートとってたりしない？ ｣
深澤「 俺がしてると思う？ ｣
「 だよねー、聞く相手間違えた。｣
深澤「 おいおいおい！！ ｣
先輩って翔太くんとかふっかさんの前では素の感じやねんけど俺の前では先輩やねんな、大人びてて俺よりも先進んでるって感じがするねん。
今日も1人で帰ってる時、思わず追いかけて一緒にイヤホン付けちゃったりして、先走った行動取ってんけどさ。
向井「 先輩、照れてたよな……？ ｣
ふと隣を見下ろすと耳を真っ赤にして夕日が俺たちを照らしまるで手を繋いでるかのように伸びる影をそっと見詰めてた。
でも俺もここまで猛アタック？一目惚れとかしたこと無くて、だからわからんねん。そーいう時はあの人に相談するしかない。
向井「 なあー、ふっかさんわからんねんけど！｣
《 深澤「 なんでめめじゃなくて俺なの？！ ｣ 》
向井「 だってめめ部活やもん。もうすぐ春季総体やし、毎日居残って練習してんで。｣
先輩や翔太くんたちとたまにご飯食べるようになって、そこで仲良くなったふっかさん。
俺もリアコ、だなんて人気者のふっかさんの存在は知ってたし向こうも俺の事知ってくれてたらしい、なんでか知らんけど。
《 深澤「 てか康二この前近藤に告白されてたくね？ ｣ 》
向井「 ……ん？告白？ ｣
《 深澤「 そーそー、校門のとこでさ、2人でコソコソ何か話してたじゃん。｣ 》
あれ、ふっかさん達にバレてたんや。
確かに俺はあの時、告白されたけど正直俺よく知らんかったしあとからめめに3年生で有名な人だ、って言うのを聞いて知ったくらい今は先輩にしか興味無いねんな。
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作者名：るん | 作成日時：2022年12月14日 23時
