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｢ ちょっとトイレ行こっかな。｣
そろそろ出てくるだろうし、軽くメイクして学校来てるからそれを直そうと椅子から立ち上がり角を曲がると、
｢ ………っ？！ ｣
？｢ ……ぁあ！ごめんなさい！大丈夫ですか？！ ｣
角を曲がった瞬間勢いよくぶつかって来た男の子。
ぶつかった影響でコケてしまい尻もちを着いてしまった。
｢ だ、大丈夫です…… ｣
？｢ おい康二、何してんだよ。｣
コケた男の子がごめんなさいって謝りながら私に手を差し伸べてくれてて、その手に捕まろうとしたら後ろから声がした。
？｢ あ、翔太くん。俺が慌ててたら当たっちゃって、｣
渡辺｢ ったく、ちゃんと周り見ろよな。｣
？｢ ごめんなさい！先輩！ ｣
｢ え？先輩？ ｣
渡辺｢ コイツ、2年の向井康二。 ｣
翔太がそっと支え立たせてくれて当たった彼の顔を見ると向井康二です！って明るく自己紹介してくれた。
ほんとだ、よく見たら靴の色が違う。
この学校の上靴は学年によって色が違う。
翔太も辰哉も落書きだらけで何色かわからないくらいになってんだけど本当は色が違うんだよね。
｢ 向井くん、大丈夫だった？ ｣
向井｢ …… ｣
｢ ……あれ、向井く、｢ 俺、一目惚れしてもうた！ ｣ え？｣
クリっとした大きな目が私をじっと見てそんな事言い出して、
渡辺｢ ……はあ？一目惚れ？ ｣
向井｢ 俺、先輩の事好きになりました！付き合ってください！ ｣
｢ ごめんなさい。｣
私の手をぎゅっと握り何を言い出すかと思うと好きだから付き合ってくれ、だなんて告白付き。
｢ いや、普通に向井くんのこと知らないし。｣
渡辺｢ そーだそーだ、散れ康二。 ｣
向井｢ なら俺、先輩にアタックし続けるんで覚悟しててや！ ｣
渡辺｢ ……お前人の話聞いてた？ ｣
隣でため息ついてる翔太とメラメラ魂燃やして意気込んでる向井くん。
いや、これどうなってんの。
新学期早々、嫌な予感しかしなかった。
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作者名：るん | 作成日時：2022年12月14日 23時
