#104 城下をぶらり ページ10
夕食まではまだ時間があるので、
2人で城下の店々を見て回ることにした。
『オビは何か見たいものある？』
オ「あー...あるにはあるけど、A嬢が先でいーよ
何見たい？」
『そうだなぁ』
(1番はオビへのお返しがしたい。
けどなるべくさらっと選んで渡したいからなぁ)
『あ、そうだ！
インクがきれてるから新しいのが欲しいな』
オ「インクかぁ。さすが学者様」
『あはは...最近はね、それだけじゃないのよ。
白雪と一緒に、私もリリアスにいるユズリと鈴宛てに手紙を書くことが多くて』
オ「へぇ。リリアスの方らと」
『そう！手紙を書くようになってからインクの減りが
早くなったのよ。嬉しい減り方でしょう？』
そう言って笑うAを、オビはまた素敵だと思った。
『よし、買えた。次はオビの番ね』
(オビがどんなもの好きなのか どんなもの欲しいのかのヒントが掴めればいいのだけれど...)
オ「俺は 主達に土産を、と思って」
(ゼ、ゼン達への...！ヒント掴めるかな......！？)
けど、こんな時でも皆のことを考えているオビに
心が温まる。
オ「こないだ皆で贈り物し合ったし、今日の土産は食い物でいいかねえ」
『食べ物...あ、あっちで甘い匂いがするよ』
オ「行ってみようか」
『そうしよう』
もうすっかりオビと歩くのが染み付いてきた。
隣にいる時間が増え、こうやってただ楽しく話す感覚にはだいぶ慣れてきた気がする。
城の皆へは、ベーコンと野菜のキッシュを買った。
キッシュはたしかゼンの好物だったはず。
(んーーー...オビに何を贈ろうかしら)
腕組みをして考える。
(お返しだし、私も耳飾り？
いや、でも装飾品付けているイメージないし...
料理は上手だったけど、調理用具あげるほど頻繁にはしないわよね...
あとはお酒？
けどそれ以外のものがあげたいという希望もある...)
はっ うーん... と繰り返し悩んでいると、
ぶはっ！とオビが吹き出した。
オ「相変わらず面白いねー、あんた。
考えてることわかりやすすぎ」
『い、一体何のことでしょう...』
じとっと目を逸らす。
オ「俺へのお返し考えてくれてるんでしょ」
『...千里眼だね。お察しの通りで』
もうバレてしまったなら仕方がない。
正面切って本人に聞いてみることにした。
『オビ、街で何か欲しいものあった？贈ります！』
オ「俺の欲しいもの、ねえ。俺は...」
優しく微笑むオビが なんと言いかけたのか、
初めがよく聞こえなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mizuna(プロフ) - 更新頑張って下さい！再開するまでお待ちしております！ (5月16日 11時) (
レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - 琥珀猫さん» 応援ありがとうございます！コメントまで下さる方貴重なのでとっても嬉しいです！頑張ります👊 (2023年2月13日 18時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀猫(プロフ) - 続編ありがとうございます！ 更新頑張ってください応援してます！ (2023年2月13日 14時) (レス) id: accff0f67d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りち | 作成日時：2023年2月13日 12時
