#135 暖かくて ページ44
オ「リリアス行きの事なら聞いてるよ
リュウ坊からね。旦那と木々嬢も一緒に」
『そ そうなんだ』
オ「主には伝えてないけどね。お嬢さんの口から言うべきだろうってまとまったから」
『私もそう思う。どうにか2人が会えるように時間を作りたいのだけれど......』
だいすきなゼンと白雪のため。
私に出来る事はなんでもしたいのに。貴族の名を持ち薬室にもいる癖に、簡単にゼンに会える地位も権力もない。
名前など関係なく向き合ってくれる彼らに対して、ここぞとばかりに使おうなんて考えも浅ましいか...
(単なる無い物ねだりに過ぎないかしら)
オ「A嬢」
俯く私の頭に暖かい手。オビの大きな手。
オ「あんたらだって、薬室に泊まり込みでやるぐらい忙しいんだろ？
それなのにさ...東の兵の人に教えて貰ったんだ
お嬢さんが時々顔を出しに来るって。
それはあんたがお嬢さんに時間作ってるからじゃないの」
『......』
オ「あんたはあんたに出来る事を精一杯してるじゃん。ね？」
『ありがとう...ほんと優しいね』
この人がくれる言葉は、どれも暖かくて。
私の心に積もった不安や弱さを全部溶かしてくれる。
『だいすきよ、オビ』
オ「！！」
『そういえば 白雪に何か用事？
探してたみたいだったけど』
オ「明日から北の巡回で城にいないから、それをあんたらに伝えようと思ってね」
『そっか。あ 私達も1度リリアスに準備に行くわ』
オ「...ねえ、それ日程は？」
『出発は明後日の朝で、滞在は2日』
オ「移動も含めて考えると......もしかしたら...
よし！とにかく、俺は主のとこ戻るよ！A嬢 またね」
『う、うん！少しだけど 顔が見れて良かった』
オ「俺もですよ」
穏やかに笑って戻って行った。
＊・＊・＊・＊・＊
オ「A嬢！お嬢さん！ちょっといいかい」
次の日 オビが朝一番におはよ、と薬室に顔を出し手招きをした。
私達のリリアス行きの帰りとゼンの巡回の帰りとで
合流してウィスタル城まで一緒に帰れるように調整してくれたらしい。
オ「そんじゃ北で会おうね。A嬢 お嬢さん」
白「わかった！」
『ええ！』
ｰｰｰ待ち合わせ当日ｰｰｰ
必要な書類も受け取り、各種の申請も、ガラクさんからの仕事も終えた。
帰りの馬車に足を踏み入れる。
向かいに座る白雪の顔が暗く見え、隣に移動し腰掛けた。
『大丈夫？』
白「少し落ち着かなくて」
肩をさする。
(何？外が、騒がしい...？)
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Mizuna(プロフ) - 更新頑張って下さい！再開するまでお待ちしております！ (5月16日 11時) (
レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - 琥珀猫さん» 応援ありがとうございます！コメントまで下さる方貴重なのでとっても嬉しいです！頑張ります👊 (2023年2月13日 18時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀猫(プロフ) - 続編ありがとうございます！ 更新頑張ってください応援してます！ (2023年2月13日 14時) (レス) id: accff0f67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りち | 作成日時：2023年2月13日 12時
