#115 見えなくとも確かな絆 ページ23
いよいよ戴冠式が始まる。
オビはゼンの側近として出るため、ミツヒデさん木々さんの所へ向かった。
最初に現れたのはゼン。
同じ色の帽子とマントを身につけ、凛とした表情でいる。
普段見ないゼンのその姿に、思わず見入ってしまう。
少ししてイザナ陛下も来た。
真っ直ぐゼンを見て、堂々と歩かれている。
(ゼン...イザナ様......)
王冠を手に取るゼンと、目を閉じ跪くイザナ。
ゼ《A、おまえは...兄上をどう思う》
ゼ《俺は兄上のような王子になれるかな》
ふと、頭に浮かんだ。昔 ゼンに秘密の場所で聞かれた事。
ずっと追いかけていた兄の背中。
兄のようになりたいと思っていたゼンは、今もそう思っているのだろうか。
(...ゼン。
もう充分な程、貴方は貴方らしい立派な王子に......)
ゼンの手がイザナ様の頭へと伸び...
そっと王冠が置かれた。
イザナ様がゼンを見上げ、優しく微笑んでいる。
ゼンはｰｰｰｰｰｰ
私達にも見せないような無邪気な弟らしい笑顔を見せた。
＊・＊・＊・＊・＊
ミ「ゼン様、お役目ご立派でした」
ゼ「ｰｰｰｰｰｰ白雪を呼んでくれ」
ミ「えーと 夜になんとか時間をとりましょう」
ゼ「..................」
ｰｰｰｰｰｰクラリネス 城下
戴冠式が終わり、王族が揃って国民の前に顔を見せた
と城下町は賑わっていた。
「イザナ陛下のご即位を祝して！」
「イザナ様にハルト様にゼン様...
3人が並ばれるなんていつ以来だったろうなあ」
「ゼン殿下はものすごく手を振ってくれていたな」
「イザナ陛下はご即位に続いてご婚約だそうだ！」
「えっ！？」
「今日 隣に並んでおられたあの方か！」
「おっそちらさん よそから来てるのか？」
「じゃー食ってくれ おごりだ！ウィスタルの名物料理」
武「おお！！」
「美人の嬢ちゃんどっから来たんだ？」
鹿「嬢ちゃんじゃねえ」
ワイワイした酒場。
あちこちから音楽隊の演奏が聞こえる夜。
一方、王城ではｰｰｰｰｰｰ
「A様！祝宴用に着用されるドレスはこちらで宜しいのですね？」
『え、ええ。ごめんなさいね お忙しいのに』
「とんでもございません！このドレスを身にまとい、髪も祝宴仕様にアレンジしたA様...腕が鳴るものです」
Aは女中さん達に囲まれていた。
祝宴に向けてドレスを着る事になったのだが、
最後に着たのは木々さんと出会った夜会。
実に5年ぶりだ。
笑顔の下で緊張が募る。
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Mizuna(プロフ) - 更新頑張って下さい！再開するまでお待ちしております！ (5月16日 11時) (
レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - 琥珀猫さん» 応援ありがとうございます！コメントまで下さる方貴重なのでとっても嬉しいです！頑張ります👊 (2023年2月13日 18時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀猫(プロフ) - 続編ありがとうございます！ 更新頑張ってください応援してます！ (2023年2月13日 14時) (レス) id: accff0f67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りち | 作成日時：2023年2月13日 12時
