#101 よく伸びる ページ3
耳飾りのお礼も告げ、夜も遅いので
おやすみ、と一言 言おうと
小袋を抱きしめていた手をゆるめ、オビの顔を見た。
真っ直ぐ、静かに。
ただ真っ直ぐに、オビはこちらを見ている。
もう、何回目かの静寂が2人を包んだ。
オビの猫目に見惚れていた。
...すると、頬に温かい感触が伝わった。
(！！オビの、右手が...私の頬に)
軽く撫でるように動く手が、とてもくすぐったい。
『ん......お、オビ...？』
むにぃっ といきなりつねられた左頬。
『い、いひゃい』
オ「はははは！柔らかくてよく伸びるねえ」
『〜〜っ。いじわるしないで！』
へらへらといつも通りの空気感に戻っている。
(なになになに！今の一瞬！
キ、キスされるかと思っちゃった......)
Aは笑顔の裏、心はとても五月蝿く喋っていた。
もっと、2人でゆっくり話がしたい。
『オビ！今度一緒に...城下に行きませんか？』
オ「へ？」
衝動的に誘ってしまった。
何か理由はないかと頭をフル回転させる。
『ほら、オビ 城下の美味しいご飯に詳しいんでしょう？
私も教えてほしいなって。
あとは...お返し！この耳飾りのお返しがしたい！』
オ「...俺 その耳飾り、
あんたへの日頃のお返しって言ったよね？
お返しのお返しって.....面白い人ですね、A嬢」
薬剤師であり、リリアスでは学者でもあり...
どんなに知的でも、
慌てると人間は頭が真っ白になるらしい。
(あーあ、きりがないような話を持ち出しちゃった...)
オ「いいですよ」
『え、本当！？』
オ「まぁね。俺もあんたと城下行きたいと思ってたし。
今度非番の日あったら教えてよ。
俺も調整出来ないか、主に話してみるからさ」
(やったわ！)
表情が パァァ っと明るくなる。
『わかった！それじゃあ、おやすみなさい』
オ「おやすみー」
弾む声がバレないよう急いで切り替え、扉を閉めた。
＊・オビside・＊
A嬢と、2人の予定が出来た。
贈り物も無事渡せたし、
喜んでくれていたみたいで...良かった。
(ていうか俺...あの時、なにしようとしてｰｰｰ)
昼間 ミツヒデさんがAの頭を撫でていたのを見て思った。
俺も...A嬢に触れたいと。
駄目だ。
こんな状態で先に手を出したら終いだな。
(今度 触れる時は、A嬢に話してからにしよう)
お互いに大きくなっていく想い。
2人きりの城下巡りは この日から少し先のお話。
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Mizuna(プロフ) - 更新頑張って下さい！再開するまでお待ちしております！ (5月16日 11時) (
レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - 琥珀猫さん» 応援ありがとうございます！コメントまで下さる方貴重なのでとっても嬉しいです！頑張ります👊 (2023年2月13日 18時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀猫(プロフ) - 続編ありがとうございます！ 更新頑張ってください応援してます！ (2023年2月13日 14時) (レス) id: accff0f67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りち | 作成日時：2023年2月13日 12時
