#108 何度でも ページ14
オビは白雪が好きって知ってる。
ずっと見てきたんだもの。
だから、
『どんな答えでも受け入れるから 聞かせて欲しい』
オ「俺もA嬢が好きですよ」
『...えっ』
オ「あんたも、いつからそんな鈍くなったの。
鋭い人だから てっきりもうばれてると思ってたよ。
A嬢。あんたが好きだ」
予想外の答えに固まる。
『なんで...だって、いつから』
オ「さあね。気付いたらかな」
ふっと口角を上げるオビ。街灯の淡い光が照らしていた。
『オビ...』
オ「はい」
『オビ！』
オ「！？」
『オビー！！』
オ「な！なに どうしたの！？聞こえてるって！！
......もしや」
『ふふっ。泣きたくなったら "呼んでよ" でしょう？
まぁ安心して。これは嬉し涙だかっ...！』
オ「ほんとずるいよねえ。そういうとこ」
ふわっとオビの匂いに包まれる。
私は一瞬の間に、オビの腕の中に入っていた。
肩に回ってる彼の腕。私もそっと背中に手を回す。
『オビ 想いに答えてくれて、
これ以上ない言葉をくれて...ありがとう』
オ「いやいや、俺は自分の正直な気持ちをあんたに言っただけだよ」
ぎゅっと抱きしめる力が強くなる。
私もそれに応えるようにぎゅっと抱きしめ返した。
『今 私、あんまりにも幸せで...こんな時にも涙って出るのね。初めて知る事全部、オビのおかげよ』
オ「！！俺こそ。
あんたのおかげって前にも言わなかったっけ？」
『ふふふ そうでした』
10秒程 そのままでいた。
その10秒間は周りがなんだかスローモーションみたいに
時間の流れがゆったり進んでる感覚になった。
郊外からはずれた場所。たしかに遠くの場所だけど、静寂のせいでガヤガヤした雰囲気も感じられる。
いつ離れたらいいのかしら、なんて考えもした。
するとばっと抱きしめた腕が離れ、私の両肩に置かれた。
オビと真正面から向き合う。
顔が沸騰しそうなくらい熱い。
若干ぼやけた視界に映るのは 黄色い瞳を細めて笑うオビ。
優しく、流れた涙を拭ってくれた。
再び顔を上げて見つめ合う。
真っ暗な夜の空とオビの黒髪。
月と星々の光が輝き、猫目も一層はっきりして見える。
その瞳に引き込まれていく。
前髪をさらっとすくって
その流れで、いつかの夜みたいに。
まるで割れ物でも扱うような優しい手で私の頬に触れた。
ふっとお互いに笑う。
オビが少しかがんで 私が少し顔を上に向けて
目を閉じた。
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Mizuna(プロフ) - 更新頑張って下さい！再開するまでお待ちしております！ (5月16日 11時) (
レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - 琥珀猫さん» 応援ありがとうございます！コメントまで下さる方貴重なのでとっても嬉しいです！頑張ります👊 (2023年2月13日 18時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀猫(プロフ) - 続編ありがとうございます！ 更新頑張ってください応援してます！ (2023年2月13日 14時) (レス) id: accff0f67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りち | 作成日時：2023年2月13日 12時
