【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ45)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:12,844 hit

#93 ビターより甘くページ45

『よし、出来た！』

見た目は我ながら完璧！
味もきっと美味しいはず。お菓子作りには自信ありだ。

オ「そういえば、今日は低い位置に結ってるね。髪」

『え？髪？』

オ「こないだリリアス組の方らと来た時は、
高い位置に結んでたじゃん」

『あ、あーーそうだったわね』

ポニーテールしてた日の事か。

オ「髪の色に映えて似合ってるもんね」

オビが白雪へ向けた褒め言葉を思い出してしまう。
私にとっては、少しだけ苦い思い出。

オ「あの日のあんた、いつもと違う髪型だったけど...
なんていうか...すごい良かったよ」

『！！』

まさかの言葉に嬉しさが込み上げる。

『...っ！もー！！』

オビの胸元をポカポカ叩く。

『そう思ってくれてたならもっと早く言ってよ...ばか』

ばかは私ね。
可愛く"ありがとう"とか言いなさいよ......。

オ「え、ご、ごめんね。
なんかあんたに言うの照れ臭くて...そのーー･･･

可愛かったですよ、A嬢」

『......』

もう、絶対今顔赤い。格好悪い。

可愛いなんて...期待するから言わないでよ。

言われなければ言われないで、
勝手に悲しんで胸が苦しかった癖に...

我ながら意味不明だ。

顔を上げるとオビと目が合った。

でも...すぐに逸らされた。

(.........襟で隠れてないし)

オビは襟元を引っ張って顔を隠すような仕草をしているが

今はいつもの襟巻はつけていなくて、
黒のシャツ1枚しか着ていないから全然隠せていない。

(朝の時より、オビの顔も耳も赤いようなｰｰｰ)

心臓がまたうるさくなる。

そんな風にされたら、いよいよ本気で期待してしまう。

白「戻ったよー...ってあれ？2人とも何かあったの？」

オ「へ！？いや全然！ね、ねぇA嬢」

『あ、うん！それより、全部完成したよ白雪！！』

＊・＊・＊・＊・＊

ガラガラガラ

ワゴンを押して東の一角に出来た料理と向かう。

木々さんとミツヒデさんはもう戻って来ていて、
声をかけて集まってもらった。

白「あ！」

ゼ「すまん。遅くなったか」

やがてゼンも来て。揃ってテーブルを囲む。

ゼ「オビおまえ...ほんとにこんなに作れたのか。
すごいな」

オ「半分お嬢さんですよ」

ゼ「何。どれがだ」

オ「俺の好物です」

ゼ「知らん」

白「『ふふっ』」

白「Aも手伝ってくれたんだよ。
そんなにできないって最初は言ってたけど料理慣れしてて手際良かった！」

今日はここで大晩餐会。