【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ43)

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#91 色んな貴方ページ43

ミ「オビのことを起こして欲しいんだが
...お願いしてもいいか？」

『？わかりました』

(それくらい全然平気だけど...ミツヒデさんじゃだめだったのかな？)

と若干疑問に思ったが、ミツヒデさんから頼まれた通り、オビを起こすため扉をノックし開けた。

......まず視界に入ったのはオビの背中。それも、裸の。

『え』

私の声に気付いて、オビが顔だけで振り向く。
黄色の瞳を大きく見開きこっちを見るオビ。

顔が熱くなっていくのが自分でも分かる。

急いで両手で視界を塞ぎ、ミツヒデさんの背中に隠れた。

『は、早く服着て！！』

オ「ご、ごめんごめん」

(びびびびっくりした...オビの背中見ちゃった......！)

『.........も、もういいですかね？』

ミ「あと10秒かなー」

オ「...冗談通じないんだから、ミツヒデさんは」

(一瞬だけしか見てなかったから、私のただの気のせいかもしれないけど...オビ耳赤くなってた？)

いつも飄々としていて、赤面だとか全く想像できないから意外な反応をされた事にもびっくりした。

(人並みに照れたりするんだ...)

新しく知る一面。

自分より年上の男の人を、初めて可愛いと思った。

＊・＊・＊・＊・＊

今日は白雪と勤務時間がぴったり同じだったので、
東の一角から2人一緒に薬室へ向かった。

薬剤師としての私が始まった出発点であるウィスタル城で
母と同じ宮廷薬剤師として働けることは、

自分にとって、
何よりの誇りであり、仕事をとても気に入っている。

朝から働いていたのに、あっという間に時が経つ。

(あと少しで今日もあがりか...)

そんな時、オビが薬室に来た。

オ「お疲れ〜〜〜
あー腹減った...ちょっと聞いてくれるかい」

『お疲れ〜』

白「お疲れ様！お茶ならあるけど...どうかしたの？」

オ「それがさ、あのお三方が遊んでくれちゃって...」

首を傾げる私と白雪。

オ「.........A嬢達、もうあがるかい？」

『え？あ、うん。ね白雪』

白「もう間もなく終わりだよ」

オ「そっかそっか！
じゃあリュウ坊も入れて4人でやろうか！」

『な、何を？』

手に持ってた重い本。
言いながらそれをさらっとかわりに持ってくれるオビ。

オ「"今日の晩飯おまえが作れ"って。ははは」

(え...オビと......料理！？)

抑えきれないわくわくと共に、薬室での仕事を終えた。