【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ37)

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#85 信じていますページ37

木「A、おはよう」

『木々さん！おはようございます』

木「今日はお昼から勤務なんだっけ」

『そうです。白雪は早朝から部屋を出てましたね』

そう。今日はウィスタル城での勤務1日目。

私は以前働いていた経験があるから、説明などは特になしで初日から通常通り働く事となっている。

私はお昼から。白雪は朝から。
今はまだお昼前で、勤務前の空き時間だ。

木「白雪はオビと一緒に資料室へ行ってたよ。
ハルカ公に書類渡されて、ゼンのところへ」

『なる程』

(いきなり資料室...大丈夫かな)

『木々さんはこのあとどちらに？』

木「書類をとりに戻っただけだから、私もミツヒデと
ゼンのところに向かうよ。

けどその前に、Aの事を薬室に送ろうかと思ってた」

『え！？そんな！私は大丈夫ですよ？』

木「丁度薬室に回さなきゃいけない書類もあるし、ついでだと思って、遠慮しなくていいから」

『そんな...ありがとうございます。ではお願いしますね』

木々さんとなら願ったり叶ったりだ。

私も今日は少し早く出ようと思っていたし、
急いで制服の白衣に袖を通す。

東の一角を出て薬室へと向かった。

途中、立ち寄った書庫でひそひそ何か話されている。

(私は大丈夫かと思ったのに、好奇な目で見られるのね)

木々さんはこれを見越してついて来てくれたんだろう。

「遠い北のリリアスから、
城の薬室に何か御用でしょうか？白髪の方。

猫目の怪しい男や赤髪の娘のように、妙な仲間集めに
加わってただ過ごされる方が宜しいのでは？」

誰かにそう言われた。
今のは完全に、馬鹿にする発言だ。

それも私だけじゃない。
オビも、白雪も...ゼンのことも蔑んでいる内容。

木々さんも冷たい目をしている。

『......木々さん。少し待っててくれませんか』

木「？わかった」

『...A・ミラシアと申します。お名前は』

「.........サグヤと申します」

『サグヤ様。

どなたの事を仰っているのかわかりませんが、

私は、ゼン殿下がその目で見て判断したもの、
信頼を置くものを何より信じています。

では、薬室での勤務がありますので失礼します』

木「A、格好良かったね。聖騎士みたいだったよ」

『木々さんが側にいてこそです。ミラシアの盾がある私は大丈夫だろうと過信していました...』

木「まあね。最初は皆品定めしてくるものだよ」

『そうですね。堂々と過ごす事とします』

話しているうちに薬室に着いた。