【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ34)

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#82 久しぶりの二人ページ34

オ「俺はこの辺詳しく知っときたいんで
上から出てっていいですか」

オビの声がした。ゼンと話しているのが聞こえる。

ゼ「なんだ、庭行くなら白雪も...」

オ「何を野暮な。それくらい主がいる時でいいでしょ」

(！！気を遣ったんだ...ゼンが案内してあげてって)

『オビ！私も行っていいかな。
私も周辺の造りとか、足場とか知っておきたいの』

オ「はは！いいですよ、A嬢。足場知っておきたい
なんて言う子、木々嬢とあんたぐらいだよ」

オビと2人、庭園に行くことにした。

＊・＊・＊・＊・＊

(2人きりなんて、リリアスでの酒場ぶりよね。
やだ、変に意識しちゃうわ...)

自分はオビが好きなんだと気付いてから、初の2人きり。
緊張しない訳がない。

オ「それにしても...驚いたよ。あんた貴族だったんだね」

『え、ええ。そうなのよね。
てっきり、卯の花病の話した時に話したつもりでいたわ』

オ「まー今思えば、両親のこと"お父様" "お母様"って
呼んでるし、言葉遣い確かにしっかりしてるし、
貴族って言われても頷けるね」

『あはは...よくそこまで気が付くね』

オ「まあ、あんたのことだし」

『！！』

(え、それどういう意味...？)

どきっとしてオビの顔を覗き込んでしまう。

オ「......ねぇ！A嬢。
じゃあさ、あんた踊れたりするのかい？」

『舞踏？覚えてるか自信はないけど...
身体に染み付くくらいはやったから、出来ると思うわ』

オ「じゃあ踊ろうよ。まだ緊張ほぐれてないみたいだし」

私の緊張ほぐそうと、そんな事提案してくれるなんて...

心が温まった。

にこっと笑顔で答える。

『ええ、喜んで。ではお相手願えますか、オビどの？』

オ「ははっ！お嬢様。俺でよければいつでも」

ふたり手をとって、くるくる回った。

やっぱり、以前に比べると
あんまり上手くは踊れなかったけど

何よりその時間を楽しむことが出来たから、自己評価は
100点満点だ。

それも全て、きっと相手がオビだからなんだろうな。

『舞踏をこんなに楽しいと思ったの、初めて！
オビ、ありがとう』

オ「！！いえいえ。俺も楽しいよ！っと」

『ひゃあ！』

回ってる途中オビにふわっとお腹を支えられ
持ち上げられる。そしてくるくる回されていく。

『もう！何やってるの』

オ「いやあ。なんかあんまり楽しいから、つい勢いでね。
これから半年間、またよろしくね A嬢」

『ええ。こちらこそ...よろしく、オビ』