【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ32)

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#80 東の一角ページ32

ミ「ウィスタル城で
仕事をしてる人っていうのは、

基本的に王宮とは別の建物に部屋をもらったり
屋敷を持ったりしてるわけで...」

ミツヒデさんが王宮内の地図を広げ、説明してくれる。

ミ「王宮内に居室があるのは...その方が便利な立場の人間だな。

俺と木々とオビはゼンのところにすぐ行けるように
そうなってる。

王族のゼンの居室は王宮の1番奥の棟。

そして今回、ゼンが鍵を受け取ったのがこの東の一角だ。

白雪には、ここにゼン殿下の名で部屋が与えられる」

白「...はい！」

ミ「そしてA。

Aはゼンが招いた(貴族の)客人・友人として同じ場所に部屋を置く事になった。

すまんな、着いて早々驚かせただろ」

『はい！...いいえ！』

な、なんてへんてこな返答を...
これでは戸惑ってるのがばればれだ。恥ずかしい

ミ「ははは。まあ今日移って、
慣れずにしばらくは戸惑うかもしれないが...

俺達側役も同じ一角に部屋が移るから、
そう硬くならなくて大丈夫だ。白雪、A」

ミツヒデさんや木々さんもいるのか...それ以上心強いものはない。

(え...てことはオビも...？？)

そうなると話が変わってくる。
どうしよう、もっと緊張するんだけど...

好きな人って認識してから、些細な事でも感情が動く。

ミ「さて！そろそろ木々達が来てるだろうから行こうか、
2人とも」

白雪とミツヒデさんとその東の一角へと歩き出す。

(どどどどうしよう...緊張が、もっと...)

ゼ「おお」

廊下を歩いていると、ゼン達と遭遇した。
木々さんとｰｰｰオビもいる。

ゼ「なんだ、丁度会ったな。Aも一緒か。
...城の者も皆話を聞いてるからな、そう緊張するな」

『！！はい、ありがとうございます』

(さすがゼンだ...見抜かれた。まぁ、緊張の理由はそれだけじゃないんだけど...)

周りに兵がいたのでゼンには敬語で答えた。

チラッとオビの方を見る。
目が合った。

『み、皆さん。改めてこれからお世話になります』

視線を戻し 5人に挨拶をして再び歩みを進めた。
案外あっさりとした再会にやや安心する。

やがてひとつの扉の前に到着し、一度止まった。

ゼ「さて、鍵はあいてる。白雪、A。まず入るか？」

白「えっ」
『私達から？』

ゼ「こいつら、下見だ部屋割りだ
とこの数日ですら出入りしてるからな」

入口に立っている兵の方が扉を開けてくれ、
まずは少し長めの広間へと足を踏み入れるｰｰｰｰｰｰ