【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ30)

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#78 新しい居場所ページ30

＊・オビside・＊

イ「半年間という期限付きだが、彼女もゼンの側に置いてやってくれ。

まぁ、この話は本人から既に聞いてるかもしれないがな」

ゼ「...いえ、この場で初めて聞きました。
Aは俺にとっても大切な友人です。喜んで迎えます」

イ「そうか。では先程の話は近いうちに返答をするから、
それまで待っていろ」

ゼ「はい。では失礼しました」

(お、驚いた...そんな話が進んでいたとは...
これから半年間はA嬢もウィスタル城にいるのか...)

嫌なんてことは全くなくて、俺も全然大歓迎なんだけど

やった！というのも違うような...
と気持ちの整理がつかない。

(まぁ、A嬢と話す機会も増えるだろうし、
その中で解決していけばいいか)

来ると行っても、一体いつからなんだ？
なんとなく気になった。

＊・ゼンside・＊

木々と見合いした翌日、俺は急いで白雪を訪ねた。

(オビのやつ...白雪が誤解してないといいが)

誤解というのはそのお見合いの事。

俺が見合いの場を設けた事は知っているというのに、
その相手が木々だと言う事は知らないままでいるそうだ。

ミツヒデが時間をくれたので、執務を少し抜けて
なんとか誤解はとけた。

ゼ「白雪。ひとつ話しておきたい事がある。

俺の...妃選びの場だが、兄上がそれを設けさせないのは
俺がそう言ったからじゃないと思ってる。

あの人の事だからな、それはない。

...リリアスで兄上が見せた表情もそうだった。
俺は兄上の中で白雪への見方に変化があったと思っている

だからと言って、
出方を待ってるだけじゃ何も変えられんからな...

白雪に俺の名で王宮内に部屋を与えたいと願い出た」

白「...っお...王宮内に...！？」

ゼ「この先俺にとって必要な者だ、と
皆に伝える意味になる...まだ返答は無いがｰｰｰｰｰ」

白雪に、兄上とのやり取りを報告した。

白「わかった」

ゼ「ああ。

あとな、Aが半年間ウィスタル城の宮廷薬剤師として
再び働くらしい。

あいつも2年ぶりのクラリネスだ。

白雪も環境が変わって大変な事があるかもしれんが、
気にかけてやってくれ」

白「！！そうなんだね。
Aと一緒に働けるなんて嬉しいや。楽しみだな」

そう言ってにこっと笑う白雪を改めて魅力的に感じたのは言うまでもない。

そしてその夜ｰｰｰｰｰ兄上が俺のところに来た。