#76 訊いていいか ページ28
次の日、ユズリ達と4人で
クラリネスの城下巡りをした。
美味しい料理屋でご飯を食べたり、屋台を回ったり、
キリトを少しの間だけ鈴に任せて、
ユズリと2人で可愛い小物屋さんを見たり...
(ふふっ。鈴ってば......気だるそうにして
なんだかんだ面倒見いいんだから)
それぞれ満喫して、暗くなる前に王都を発ち、リリアスへと戻った。
＊・＊・＊・＊・＊
ウィスタル城の薬室で起きた事...半年ここを離れる事を
シダンさんにも告げる。
シ「そうか そんなことが...わかったよ、A君。
こっちの事は心配しないで 俺に任せてくれ。
...ガラクの事、頼んだよ」
大きく頷いて返事をする。
家に戻って荷物をまとめた。
リリアスの門番の話によると、明日には城から迎えの馬車が来るそうだ。
(さあ、いよいよだ...)
そしてその頃のウィスタル城は...
ゼンと木々さんのお見合い真っ最中だった。
＊・ゼンside・＊
ゼ「すまんな。木々は城でもドレスは着たがらんのに」
木「まあね。剣が遠くなるし」
俺はもちろん、これから先 妃を探すつもりはないが、
催促される見合いの場を切り抜けつつも、
婚姻を放棄していない事実を示す為、見合い相手の候補に
名前があった木々に頼み込んで現在に至る。
木「この見合いの効力が切れたらどうするわけ、ゼン」
ゼ「...それな もう芝居を頼む相手もいないしな。
とは言え...俺に妃を迎える意志を示せっていうのは
望むところかもしれん」
木「？」
ゼ「前から少し考えている事があってな......、...と」
木「何」
ゼ「いや、その前に」
気になっていた事をひとつ、木々に訊いてみた。
ゼ「芝居といえば、
木々...セイランどのにも一芝居うったのか？」
木「父上？何の話」
ゼ「あーー･･･この前の...なんだ、俺と木々がミツヒデを
怒らせた件。
2人がどう収めたのかミツヒデに聞けって言ってたろ」
木「ああ...」
ゼ「それで顛末を聞いたんだが...
"いざとなったら自分が求婚する"
って 誰とは明かさず宣言したって？」
木「...どこまでこと細かな顛末なんだか」
ゼ「いや ほとんどはざっくりだったんだけどな
............訊いていいか」
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作者名：りち | 作成日時：2023年1月25日 18時
