【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ22)

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#70 似合ってるページ22

イザナ殿下の執務室にて、
申し出を受けて頂いたその帰り道。

(あ！そうだ！

ゼン達の所にお茶とケーキ持って行ってる頃だろうし、
ついでに今の事を報告してびっくりさせちゃいましょう)

皆どんな反応するかな？
温かく迎え入れてくれるかな。

不安もあるが、そんなものはほんの少しで、
皆ならきっとｰｰｰ

にこり、と緩む口元を右の手の平で隠しながら
ゼンの執務室へと向かう。

白「そっか...じゃあもう1回髪下ろしてるの
見たかったなあ...でも短くてもまた素敵な...」

ゼ「...白雪、おまえそれオビと全く同じ反応だからな」

(この流れ...木々さんの髪の話かしら。
ふふふっ私達3人、おんなじ反応してるなんて...変ね)

ばあ！と飛び出そうと、執務室のドアノブに手を伸ばす。

オ「そういやお嬢さん。その耳飾り、つけて貰ってたけど
そのままくれたのかい？」

白「そう。お土産だって」

オビの声も聞こえる。
耳飾り...ユズリが持ってきたやつの事だろうな。

オ「へー良かったね。髪の色に映えて似合ってるもんね」

白「そうかな、良かった」

伸ばした手がピタッと止まる。

聞こえたのはオビの白雪を褒める声と、
白雪の褒められて嬉しそうな声。

(あ...なんかちょっと...入れないかも)

1～2歩ぐらい後ずさり、180°くるっと方向転換した。

ユズリ、今日白雪の赤髪を可愛くアレンジするんだー！
って張り切ってたし、髪型も耳飾りも可愛んだろうな。

(私も今日、いつもと違う髪型なんだけどな...
耳あての代わりに耳飾りだってしてるし。

私のはあまり似合ってなかったのかな......)

そう言われた訳でもないのに、1人で勝手に悲しくなる。

オビは白雪の事が好きなんだから、着飾ってる時に褒めるなんて自然なことじゃない。

それなのに

(やだ、なんでこんなに苦しいのｰｰｰｰｰ･･･？)

ぎゅっ、と固く結んだ唇を右の手の甲で隠しながら
逃げるように走った。