【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界Ⅱ (ページ3)

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#51 優しい人ページ3

オ「そうだったんだね...あんたの白髪は
生まれつきって訳じゃないんだ」

『うん。卯の花病の後遺症ね』

オ「ごめん、俺...知らずに綺麗だなんて言った」

『え...！？いやいや、謝らないでよ！！
オビにそう言って貰えてどれだけ嬉しかったか...！』

そう、すっごく嬉しかった。
だから謝って欲しくなんかない。

『私、病のせいで変わってしまった髪色で...自分では
どうしても好きになれなかったから......

あの時オビに褒められたこと、ほんとに嬉しかった！

だから私は、"ありがとう"ってその感情しかないよ...？』

不安になって、ちらっとオビの顔を覗いてみる。

オ「そ、それなら良かったけど...。
あんたその1件でちゃんと泣いたのかい？」

『う、うん...1回だけ、少し泣いたけど......』

オ「1回だけ、ねぇ...
まぁもし、思いっきり泣きたくなったらさぁ...

俺が慰めるから呼んでよ、A嬢」

そう言って、頭をぽんぽんと優しく撫でてくれるオビ。

(や、やばい。今この時点でちょっと泣きそうだ。
なんでそんなに優しいの......っ)

照れくささと心境を悟られたくないのとで、
少し下を向いた。

顔を上げて伝える。

『オビ...真剣に話聞いてくれて、どうもありがとう。
話聞いて貰えて、改めてあの日の感情に整理がついたわ』

オ「！！いや、俺こそ話してくれてありがとう。

辛い事思い出させてごめんね。
ずっと気になってたから、あんたの事知れて良かったよ」

そう言って、すごくあったかい視線を向けて
微笑んでくれる。

第一印象は怪しい人だったのに、
今はひたすらに優しい人だと知った。

細くなる黄色い目にまた吸い込まれｰｰｰ

お酒をぐいっと飲んだ。この空気感は良くない。
雰囲気にのまれてしまう。

(私も、聞きたいこと聞いていいかな...
オビのことで気になることは、全部知りたい)

『ねぇ...私もひとつ、聞いていいかしら？』