覚えていて ページ29
「………」
唇を噛む。音もなく、涙だけがテーブルに滴り落ちた。
「私、忘れたくないよ」
喉がなるのを押さえて、やっと言った言葉。
わがままだし、迷惑なのも重々承知。
「……俺だって、忘れられたくねぇよ」
爆豪君は、怒鳴らなかった。
「1ヶ月、間あけずにお前と接触すればいいんだろ」
爆豪君は余裕だ、という風に笑った。私は目を見開いて爆豪君を見る。
「迷惑じゃない？」
「多分な」
「鬱陶しくない？」
「テメー次第だな」
ああ、やっぱり優しすぎる。
そんなんじゃ、私、勘違いしちゃうよ。
「そもそも、俺が階段から落ちたのもテメーの個性なんじゃねぇの」
「いや、まあ、確かに」
轟君も階段から足を滑らせたんだった。まるで、漫画みたいな出会いだ。
「でも、足を滑らせたのは爆豪君だよ。
私は悪くないよ」
「んだと！」
笑いがこぼれた。そうそう、こっちの爆豪君だよ。
優しいだけじゃ、個性潰れちゃうものね。
「ありがとう、爆豪君」
「ハッ、もっと感謝しやがれ」
得意気に笑う爆豪君がすごく面白かった。
「そういうところが好きだよ」
「……」
こいつあり得ねぇみたいな顔で固まる爆豪君。酷い性格の自覚あったんだ。
「1ヶ月だよ。爆豪君」
忘れさせないでね。
「上等だ」
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無気力に自信が有る人 - かっちゃんって私と私の親友を足して割った感じがするんですよねー(笑) (2021年10月15日 20時) (
レス) @page29 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 内容見ていいなぁってちょっと感動してたのに次のお話の題名見た瞬間吹いたｗチンピラ＝きんぴらｗ (2020年5月20日 17時) (レス) id: cca091ad1c (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 一気に読ませて頂きました！キスで入れ替わったり、かっちゃんが助けてくれたり、番外編も面白かったです！ (2019年3月3日 1時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
カリカリうめ(プロフ) - サイコーでした！ありがとうございます！！ (2018年8月20日 23時) (レス) id: 5501794369 (このIDを非表示/違反報告)
林檎＊(プロフ) - 面白かったです！次作期待してます！ (2018年8月20日 16時) (レス) id: 5de317d7bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くず湯 | 作成日時：2018年8月3日 23時
