げーむちゅうどく(未完)【爆豪】 (ページ11)

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軽傷？11 ページ11

サンドウィッチを無言で頬張った。確かに辛い、涙が出そうだ。

対して爆豪勝己は余裕そうに食べている。いや、実際余裕なのだ。彼を見てきてわかっている事のひとつに、辛いものが好きというのがあるからな。

「なあ、鈴木」

爆豪が珍しく名前を呼んだ。

「……」

あまりの辛さに返事が出来ない。目線をやると、彼はすでにサンドウィッチを食べ終わっていた。

「なんでテメーは、ヒーローになろうと思った」

あなたを攻略するためです。

……なんて言えないか。

「格ゲーにハマったの」

苦しい嘘だ。格ゲーごときの為に人生3度殺した自分が馬鹿みたいだ。乙女ゲーもそんな変わらんけど。

「嘘だな」

彼はストローでアイスティーを啜った。見抜かれちゃった。

小学生の頃

「や、やめなよかっちゃん。上級生でもいじめるのは良くないって」

緑谷出久はいつも弱いものの味方だった。

「うっせぇデクのくせに」

爆豪勝己はいつもみたいにいじめている。

「やめなよ」

その日、外で遊べと親に言われた私は、公園の日影でマ●オカートをしていた。

すると、緑谷出久が爆豪勝己から誰かを守っている。まあ、いつものことだ。

その日はたまたま目に入って、なぜだかわからないが助けたくなった。

「なんだよ、根暗」

「オタク女～」

爆豪の取り巻きから何か言われたが、気にしなかった。

「Aちゃん……」

「多勢に無勢はヒーローのやることじゃないよ。タイマン勝負しなさい」

「なんだと」

一人の取り巻きが襲い掛かってくる。股間を蹴りあげると、呆気なく沈んだ。

「痛恨の一撃」

「うわあ、アイツやべぇぞ！」

「逃げようぜ勝己！」

爆豪は逃げなかった。

「なんでデクなんかの味方しやがる」

彼は睨みながらそう言った。

「彼はヒーローだからだよ」

私は笑った。