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《 警視庁から各局、墨田署管内重傷傷害容疑事案入電中。》
突然のアナウンスに全員の顔つきがパッと変わる。
《 現場は曳島1丁目2番3号先の路上、通行中の男性が男に殴打され転倒。
頭から血を流して意識不明状態、至急現場へ急行せよ。》
「 行くぞ。」
「 うどんは？」
『 腐らないので放っておいて大丈夫です。』
一斉に現場へ向かう準備をし始める。
そこで伊吹と橘を呼び止めた。
「 俺たちは戸締りをしてから行く。」
「 いや盗む奴なんかいないでしょ、警察署の中に。」
「 規則だ、分駐所を離れる時は鍵を閉める車を離れる時は鍵を抜く。」
こくんと素直に頷く橘に対し、伊吹はにんまりと嫌な笑みを浮かべる。
「 ははーん、もしかして、規則にがんじがらめになっちゃう頭硬いタイプ？」
「 規則は、必要だからある。」
「 ……OK。」
もうそれ以上口を開かせぬよう食い気味に答えれば、またニッと笑って鍵を受け取る伊吹。
橘にも鍵を渡せば、2人で中をチェックしてから施錠をしていた。
仲が良いことで。
サイレンを流しながら現場に到着してすぐ、俺は伊吹に近づいた。
「 あらかじめ言っておく。」
「 ん？」
「 勝手なことはしないでください、必ず橘さんと一緒に行動するように。」
釘を刺すようそう言えば、伊吹は不服そうに、橘はきゅっと唇を結んで頷いた。
「 失礼します、404現着初動捜査始めます。」
人混みを分けて現場へ入る、面倒臭そうに返事をするバカの声が後ろから聞こえた。
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作者名：ふぃのぁ | 作成日時：2024年2月2日 14時
