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橘に手を合わせている隙に、陣馬さんがドンッと伊吹の始末書の上に麺を置いた。
「 昼飯だー！」
「 うわー！ ちょちょちょちょ、濡れちゃったじゃん！！」
「 知らねぇ書き直せ。」
「 あーマジかよ……。」
『 ハンカチいります……？』
「 いる〜！！ 橘ちゃんありがとー！！」
『 橘ちゃん……。』
伊吹がハンカチを大切そうに受け取る。
橘は、伊吹に突然ちゃん付けされたことに驚いているのか固まっていた。
あ、でもちょっと嬉しそう。
「 お前ら、これが機捜名物、機捜うどんだ。」
「 えっ、名物？」
『 美味しそう……。』
「 何うどんですか？」
「 機捜うどんって言ったじゃん。」
「 いえそうではなくて。」
『 多分これ讃岐うどんじゃないですかね。』
「 お、正解！ なんだうどんが趣味か？」
『 祖父母がうどん屋さんをやってて、小さい頃から麺に関すること色々教えられてきたんです。』
「 そりゃあいいなぁ！」
「 一発で麺の種類当てちゃうなんて、橘ちゃんすごい！」
『 ……ありがとうございます。』
褒められたのが嬉しかったのか、ふにゃりとはにかんだ橘。
普段は見せないレアスマイルに伊吹は、心臓のあたりを抑えて唸った。
「 やばい……橘ちゃん超きゅるきゅる！！」
『 きゅる……？』
「今度俺とドライブデートでも、どーお？」
「 変なこと言ってねぇで早く食べろ！」
「 ちぇ〜、いただきまーす。」
……何言ってんだか。
謎のきゅる発言をした伊吹が、陣馬さんに怒られ手を合わせた時だった。
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作者名：ふぃのぁ | 作成日時：2024年2月2日 14時
