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「 凶器の看板こっから持ち出したのか。」
犯人が凶器を持ち出したと思われる場所を確認する。
パーキングはそこから目と鼻の先にあった。
「 いやぁ、てかこん中から探すの車?」
伊吹が3階までにもなるパーキングを見て面倒臭そうに言う。
「 車ごと持っていかれてなければ。」
「 どんな車かもわかんないのに。」
「 一台ずつ潰すしかない、取り敢えず防カメ見せてもらおう。」
うげぇと嫌な顔をする伊吹を無視していれば、橘があれ?と呟いた。
『 これ……昼間の煽り運転の車両と同じじゃないですか?』
「 えっ、あっ、同じ車!」
「 ほんとだ、ナンバー一緒。」
橘の指さす車を見れば、確かに同じ車だ。
「 ……開いてる。」
「 え?」
「 ねぇほら……て……て……。」
『 て?』
「 ほら、手袋片っ方貸して。」
「 持ってきてないのか?」
「 うん、早く。」
『 いります?』
「 えっ、いいの? ありがと〜!」
「 俺のを使え。」
「 え〜なんでだよ!」
橘が渡した手袋を伊吹から取り上げ、代わりに俺の手袋を貸す。
はい、と橘に手袋を返せば小さくお礼を言われた。
「 お邪魔しまーす。」
調べれば、後部座席に血の跡が付いてある。
「 血の跡……。」
『 犯人がここでも膝をついた……?』
「 ほらやっぱり、昼間の髭男。」
伊吹の手にある財布の中の免許証を見れば、確かにあの髭男(水島)の顔。
思わず笑ってしまう。
「 あの男が被害者? もしそうだとすると犯人がここへ来た理由は……。」
「 なくなってるな。」
『 あっ!』
「 ドライブレコーダー。」
伊吹の声にそこを見れば、あの緑のキーホルダーを残してドライブレコーダーは消えていた。
「 ビンゴビンゴビンゴビンゴ!」
俺らは集めるだけ証拠を集め、警察署刑事課へと向かった。
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作者名:ふぃのぁ | 作成日時:2024年2月2日 14時