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「 ちょっと待て、目撃者は？ 正確にはなんて言ってたんだ？」
「 えーっと、あっ、好きとか？ 嫌いとか？ なんかそう言うアレだって……。」
そんないかにもバカがしそうな説明に、思わず鼻で笑ってしまう。
「 どのアレだ、ちょっと見せろメモ。」
「 あぁ、はい。」
伊吹の渡したメモ、それには
〜
《 バルエ・ムヘ 55歳 ： カレー屋店長 05-338-104 》
〜
とだけ書かれていた。
当然そんなメモ使い物にならないので、陣馬さんは伊吹に声を荒げて問いかける。
「 おい聴取のメモは？」
「 え、書かなくても覚えられますよ。」
「 現に説明できてねぇじゃねぇか！」
「 いやだから、問題なし事件に関係なし、俺の勘は当たる。」
「 血圧が上がったまま死にそうだ。」
言葉の通り顔を真っ赤にさせた陣馬さんを、わざとらしく「大丈夫ですか。」なんて訪ねる伊吹。
とその時ちょうど橘が戻って来たので、陣馬さんはイラつきながら橘のメモ帳を見せてもらう。
その間、俺は冷静を装いながら伊吹の肩を引き寄せた。
「 伊吹さん、機捜は初動捜査が仕事なんですよ。」
「 はい。」
「 この後所轄やナンバー課に引き継がなきゃならない、その後の報告書もこの後作る。」
「 確かに。」
「 そこになんて書く？」
「 えっ？」
「 好きとかぁ、嫌いとかぁ、そういうアレでぇ〜、って書くのか？ バカか！」
思わず怒鳴ってしまう。
すれば伊吹に笑われたのでさらにイラつき睨んだ。
「 笑ってんじゃねぇよ！」
「 そんな、女子高生みたいな喋り方してない……ふはっ。」
『 っふ。』
ついには橘まで笑い出したので、俺はうんざりしながら息を吐いた。
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作者名：ふぃのぁ | 作成日時：2024年2月2日 14時
