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「 鑑識作業入ります、あ、橘さん!」
『 元鑑識課現4機捜の橘です、山岡さんお久しぶりです!』
「 仕事どうですか?」
『 精一杯頑張ってます、鑑識作業よろしくお願いしますね。』
笑い合う2人を見た伊吹が、不満そうに唇を尖らせた。
「 なーんかあの2人距離近くない? 橘ちゃんのレアスマイル独り占めじゃん!」
「 うるさい、余計なこと考えずに調査しろ。」
「 志摩さんだってムカつかない? 俺らにあんな顔見せないのに!」
「 まだ会って間もないからだろ。」
はぁぁ、とわざとらしい溜め息を吐く伊吹を見て、視線を橘へと移す。
確かに俺らと話している時より笑顔が多い、やはり彼女も突然の異動でまだ慣れないのだろう。
あまり見ない彼女の笑顔を見て俺は、ただ自分のメモ帳を握ることしかできなかった。
「 盗んだのは財布? 金目当ての犯行でしょうか?」
「 決めつけんなよ、初動捜査は大きく見る、大きく見て徐々に絞り込む。」
「 被害者は電話で喧嘩をしていた、何かトラブルを抱えていてその線でやられた可能性もありますよね。」
「 いやいや、その電話は女とのしょうもない痴話喧嘩、事件に関係なし。」
九重さんの推測に、伊吹が真っ先に否定する。
「 関係ないと決めてしまって良いんですか?」
「 うんあれは関係ない。」
自分の推測を否定された九重さんが、悔しかったのか少し反論した。
しかしそれをもをバッサリ否定してしまう伊吹に、陣馬さんが仲裁に入った。
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作者名:ふぃのぁ | 作成日時:2024年2月2日 14時