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今日は一緒に。 ページ9

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「行こう!A!」


「うん、行くけどさ、…とりあえず離して」


「断る!」


「断らないで」





今日は結婚後初の、二人での任務である。


決まってからというものの、杏寿郎は終始ご機嫌である。

まるで遠足前の子どもだ。





「手繋いで任務に向かうなんて聞いたことないよ」


「俺は今日の指令を聞いてから!楽しみで眠れなかったんだ!」


「大丈夫。ぐっすり寝てたよ」


「行くぞA!!」





ハァ、と溜息をついて

杏寿郎に引きずられるように任務地へと向かった。



鴉から聞いたそれは難しくない内容だった。


わざわざ柱が出向くほどのものではない。
そう思ったAだったが、

先日実弥との任務を羨ましそうにしていたのを思い出す。


お館様に直談判とはもしや…?





「君の剣技を間近で見るのは久しぶりだな!楽しみだ!」


「少しは杏寿郎の強さに近付けてるかなぁ」


「君は十分強い!そして愛い!好きだ!」


「はいはい、ありがとう」





目的地が近付き、感じた気配に足を止める。


それでも手を離さない杏寿郎。

どれだけ引っ張ろうが離さない。力強い。





「あれ…炭治郎くん?」


「!!Aさん!…煉獄さん?」


「竈門少年!息災か!」


「は、はい!…あの……」





炭治郎は困惑していた。


何度か任務を共にした事があるAと、

裁判の後何かと気を掛けてくれている杏寿郎。


炭治郎にとって尊敬する二人だが、


その二人が何故か、手を繋いで現れた。





「ごめんね、どうしても離してくれなくて」


「竈門妹は元気か!」


「ね、話聞いてもくれないの」


「……お二人は、その…」





ぽぽぽ、と赤くなる炭治郎に、

可愛いなぁ、とAは口元を緩めた。





「Aは俺の妻だ!!」


「あぁ…そこは答えるのね」


「えぇぇぇっ!?」


「はっはっは!そうか羨ましいか!」


「言ってないよ、杏寿郎」


「Aは俺の自慢の妻だ!」


「炭治郎くん、あなたも任務に参加するの?」





一人盛り上がる杏寿郎を無視して、Aは炭治郎に問いかける。


たまたま近くにいたばかりに、助太刀を仰せつかったらしい。

災難だ。


助太刀と言うよりも、
実績を積むための布石なのだろう。


柱と甲の任務に参加させられるというのは、本来ならば喜ばしい事なのだ。





「いい加減離して」


「嫌だ!!」





自分と杏寿郎とじゃなければ、の話だが。




.

感じた匂い。→←噂の有能妻。



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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時

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